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2011年 2/24 人格の完成に努むること

光陰矢のごとし、年々地球の回転が早くなっているように感じます。

退官して、あっという間に3カ月が過ぎようとしています。
この僅かな間にもいろいろなことがありました。

まず、3冊の出版を手がけました。
3月5日には、その3冊目の「マインドコントロール2」が販売開始になります。
いよいよ今年の勝負の本の登場となります^^

3週間前から、15年前に購入したマンションのリフォームを行っています。
このリフォームでもいろいろな事を学びました。

リフォームでクロスを剥がすことによって発見された
マンション建設ゼネコンの欠陥工事と、常識を疑う対応。
これに対し、地元建設会社の大工等職人のきめ細やかな素晴らしい対応の差の実感。

妻の思わぬ横断歩道での右折車の前方不注意による交通事故遭遇。
右顔面でフロントガラスを割ったにもかかわらず、
緊急病院で止血処置だけで、入院もしなくてもいい軽傷。

担当の警察官が、「奥さんも空手道やっているのですか??」

びっこを引きながら妻曰く
「これでお父さんの今年の事故の大難を小難にした」・・・^^

来週には、対面キッチンとなったリニューアルの我が家で
妻のカラーと料理講習、そして私の「語らい」を楽しみたいと思います。

昨日は、空手道月刊誌「JKFan」の12回連載の8回目の原稿と
「船井幸雄.com」の「21世紀ヤマトごころの部屋」の3月5日掲載コラムを
一気に書き上げました。

今回は、JKFan4月号に掲載中の「私と空手道」、
12回連載中の第7回目をお届けします。

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                         (第7回連載)
      人格の完成に努むること

 中山先生、防大生に残した言葉
 
 ここに防大空手道部創立20周年の記念行事にあたって、
中山正敏主席師範から送られた玉稿がある。

ちょうど私が防大4年生時である。

「創立当時、お約束したが試合に勝つためのみの稽古は防大では必要ない。
永続できる空手に打ち込みたいという信条は今も変わらない。

現時、一般的にややもすると試合での勝負ばかりに囚われ過ぎる傾向があるのは残念。
無論、試合に勝つ信念と努力は欠かせない。

形だけの勝敗を究極の目的としない真の空手道確立、
他人に勝つためには先ず己に克つ心情こそ肝要である。

拳冲会の諸氏にこれらの素地は十分にあり、バックボーンと力、
意欲があることは確信している。

自衛官と空手道、心技一体の境地を希求して止みません。」


 さらにその5年後の25周年記念によせられた言葉である。

「『空手に先手なし』これは空手道の真髄であり、
実技の面では『極め』の一語に尽きます。

どんなに動きが美しくなめらかでも魂の入った
『極め』がなくては迫力に欠け感動を呼ばず、
心と体が一致して初めて厳しい真の美が出るわけです。

『心技一如』歌舞伎の教えにもあるように
『芸は頭脳で覚え、心でつかめ。覚えたら頭脳を忘れて体で具現せよ』。

これは我々武道人にも肝に銘ずる言葉です。
『平常心是道』非常な勝負の場にあって自信を持って
堂々と自分の実力を十分に発揮させるには日頃の厳しい心身の行が肝要であります」

 この四年後冥界入りされた中山先生最後の我々への遺言ともなった。


 昨今、空手道の試合は極めて盛んとなった。
空手道の普及という面からは喜ばしいが、
本物の空手道という観点からは戒めなければならない点も多い。

なぜなら高校あるいは大学の大会を最終目標として、
これを最後に「引退」とばかりに、
生涯の人間修養の道として続けることをやめる輩が多いからである。

 
 「空手道」、生涯をかけて修養

 武道とは、戦い「弋」を「止」める道であり、
その究極といえる武器を使わなくて相手を悟らせる「無刀とり」を極めるまでの、
果てのない人間修養の道である。

中山先生は、それを道場訓として示した。

一、 人格完成に努むること
二、 誠の道を守ること
三、 努力の精神を養うこと
四、 礼儀を重んずること
五、 血気の勇を戒めること

             の5つである。

この中で、一番にあげられている「人格完成」とは、
まさに生涯をかけての心の修業そのものであろう。

 防大での稽古は、まさに基本に始まり基本に終わるといっても過言ではなかった。
組み手も色帯の間は、五本組手、三本組手、一本組手までである。

本格的な試合(自由組手)は、黒帯となった四年の、
それも大会前の3週間ほどであった。

その基本も「極め」の生命線といえる後ろ足の「張り」によって
後ろ腰を前に押し回す稽古に重点が置かれた。

1000本逆突きの基本練習するときは、
まず最初の500本はこの腰入れ・後ろ足の張りの稽古が行われた。

これを移動しながら二人ペアで、
1人を首馬しながら道場を往復するわけである。

防大生はほとんど白帯からはじめるが、
4年時には試合練習偏重の大学の選手相手には、
たとえ競技の試合で負けても、
実戦ではいつもで相手を倒せると自信を持つまでになっていた。

 もっとも試合・自由組手のルールを考案して
競技空手道の道を開いたのも中山先生である。

しかしながらその10年後には、

「これらの試合はまだ過渡的段階であるが大学といわず実業団といわず、
全国で行われており、今後ますます盛んになるであろうが、
当事者間でよほど上手に指導していかないと、いたずらに試合偏重に陥り、
空手道の真髄まで失われてしまう。

この点さえあやまりなく運用できれば、
空手道の前途はいよいよ明るく大きいといえるであろう」
                     と警鐘を鳴らされている。

 
 中山先生からの「戒めの言葉」

 同時期に防大生への戒めの言葉がある。

「端的に言って今日の部員諸君は層も厚く技の向上も著しい。
形の演武もうまいし、組手も巧い。

が、創生期諸先輩の芯の強さ、
ファイトと重量感で圧倒するような豪快さが足りないようだ。

勿論、これは他大学にも通ずる近代的傾向かもしれない。
試合が盛んになって、ポイントを取ることに練習の主眼が置かれる結果とも言える。

試合に勝つことだけが空手道ではなく、試合はほんの一部分に過ぎない。

少なくとも防大の部員諸君には在学中だけが空手道の修業舞台ではなく、
卒業後も諸先輩がそうであるように、
自衛隊の中堅幹部となってからも部下隊員を指導し、
共に稽古する機会が多くあり、
更に空手道を実生活に役立たせることも多いと言うことを忘れてはならない。

そのためには、試合に勝つ要領を学ぶのではなく、
真の空手道を身につけることが肝要である。

なるほど空手道の基本を体得するのはなかなか気骨の折れることであるが、
それを一つ一つ克服するところに意義がある。

人に勝つことより、先ず自分に克つことが大事であろう。
引いては試合にも優秀な成績を得る要素であろう。

今ひとつ諸君に考えてもらいたいことがある。
功を焦るなということである。

防大の部員では3年生で選手になることは難しいが、
他大学では2年で黒帯もいる。

これは能力の問題ではなく、それまでの練習量の問題である。
他大学はそれまでの練習時間がたっぷりある。

時間が限られる防大で、
他大学が2年でやるのを3年かけてみっちりやっていくべきだろう。

3年間鳴かず飛ばず基本に徹し、
4年生となってからいろいろのテクニックを習得しても遅くない。

かえってそのほうが良い結果を得られるし、
試合にも優秀な成績を上げられることを諸先輩が証明している。

武道の習得に焦りは禁物である。

早く一定の線に到着して止まるより、
じっくりやって広くて深い根を十分張り、
将来高く伸びる素地を作るよう心がけて欲しい。」


 「極め」無ければ、空手道にあらず

 この「極め」・「基本」で忘れられないエピソードがある。

 防大を卒業して12年後、前橋で師団の訓練班長として勤務していた頃、
長男を地元の道場に2年間通わせた。

中山先生の孫弟子ぐらいの人が自分で起こした流派で世界大会も行っていた。
前橋道場はそのNO2が指導していた。

7年後、そのNO2から転勤した職場に突然電話がかかってきた。

「本当の空手道を教えてほしい」…?。

聞けば、教え子たちが高校等の大会に行ったときに、
「それではダメだ」と指導されるとのこと。

悩んだあげく、中山先生の教えを直接受けた私を思い出したらしい。
それから暫く、単身赴任先から帰った土曜日にマンションの広場で指導することにした。

先ず、彼の突き一つの動作で思ったこと…

『これなら左手一本で倒せる』。

腰を中心で回しているから下半身の力が拳先に伝わっていない。
つまり「極め」がない。

20数年間これで教えているとすれば、その教え子達は…。

結局私が彼に徹底して指導したのは、
中山先生から教わった「後ろ腰を前腰まで突き出す」、
空手道の基本中の「基本」であり、「極め」であった。

ちなみに私は防大4年時、大隊学生長に任じられた。
いわゆる約400名の寮長である。

そこで、4階建ての学生舎の入り口玄関の上に、
統率目標として「人間修養」と額に書いて示した。

 道場訓の「人格の完成に努むること」の応用である。

 そしてそれは卒業後から今に至るもまだ到達することのない
我が人生の永久の道となっている。


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東藝術倶楽部 顧問 
船井幸雄.comコラム「21世紀ヤマトごころの部屋」
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「転生会議」(ビジネス社)
「心の旅路」(新風舎)(新日本文芸社:改訂版)
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