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2010年 8/29 「連載」 私と空手道 第一回

空手道の月刊誌、「JKFan」10月号から、私と空手道というタイトルで
12回連載される予定です。

第1回目は、「先んずれば人を制す!」で
七月に配布した原稿と同じですが、
記念にこれも含めて毎月転載します。

ご笑覧ください。

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「連載」  私と空手道 第一回

財団法人全日本空手道連盟・理事及び全日本実業団空手道連盟・理事長を
務める池田整治の「空手道と私」と題した連載が始まります。

中山正敏先生から薫陶を受けた空手道精神、池田氏の人生観を語っていただきます。
次代を担う読者の皆さんにとって大いに参考になることと思います。

今月は、空手道を学ぶ以前の池田氏の原点の一つを著していただきました。


   先んずれば人を制す!
 
 ふるさと一本松を15歳で出て、もう40年が過ぎた。
それでも父母が健在の時は父との対話を楽しみに、盆正月はほとんど帰省した。

七年前に母を亡くしてからは、父母があってこその故里なのだとしみじみ思う。

・懐かしき、ふるさとの思い出

 かってのふるさとには、失われた原日本風景の、
自然と一体化した家族・地域社会の絆があった。

 この世に生を受けてもの心つくころには、
夜明前から牛のえさの草を田んぼのあぜ道に刈り取りにいく父の後ろ姿を見て育った。

やがて私用の小さな「鎌」をもらって、
竹細工で槇の実・紙・水鉄砲などを作って遊んだ。

また、その鎌で削って作った50センチぐらいの木製の帆船を
家と隣接する大根池に浮かべて遊んだ。

 山まで歩いていけるようになると、
薙刀のような大鎌を体格にあわせて作ってもらい、
父母と一緒に植林の下草刈りを行った。

昼食時や休憩時に食べた母の手作りの弁当や、
家の前に植えている木から取っていった柿やミカン、琵琶の味が今でも懐かしい。

奥山の急斜面で踏ん張って大鎌を振り下ろしたり、
稲こきの藁を全身で放り投げたり、
鍬を振りおろしたりする運動が、
自然とその後の野球や空手道の運動の、
特に足腰の粘りに結びついていると思う。

また海軍相撲の名人だった父には、
「大腰払い」を教えてもらった。

・いきる術(すべ)を教えてくれた父

 当時春の節句には、岡駄馬常会約30軒が、
「山の神」という部落の鎮守様の山の中腹にこしらえた相撲場に、
年一度のご馳走を重箱に詰めて集まって、子供たちが奉納相撲をおこなった。

勝てば5円、3連勝すれば50円の「大金」がもらえる。

 さらに夏になると年一度、
5つの常会からなる広見部落の相撲大会が行われた。

勝てば賞品がもらえるが、感動を与えた「力士」には観衆から、
親の小遣いでは望めないぐらいの「ご祝儀」がもらえる。

 ようするに貧しくとも強ければ稼げるわけだ。
その点私の大腰払いは、相手を完全に腰に乗せて投げ捨てる豪快な技なので、
結構受けて稼げた。

また、当時は水田の用水池に、
砕いたタニシをエサに「夜づけ」の仕掛けでウナギを釣って、
病院横の青果店に一匹百円ぐらいで買い取ってもらっていた。

それを貯めてグローブやバットを買っていたのだ。
それ故、確実に稼ぐ「手段」を教えてくれた父には非常に感謝した。

ちなみに小学校の相撲大会でも準優勝することができた。

 その父から教わったことに「先んずれば人を制す」がある。

 勉強でもスポーツでも、物事をなす場合に、
いち早く練習や稽古にとりかかれば、必ず誰よりも上達するという教えである。

 ところで伊予・愛媛と言えば野球発祥の地である。
坂の上の雲にも描かれているように正岡子規がBaseballを野球と訳し、
秋山真之・好古兄弟などと草野球を始めた土地柄である。

私も小さい時から部落のお宮の境内や田んぼで草野球をして遊んだ。
もっとも今のように野球クラブがあるわけでないので、
小学はソフトボール、中学は軟式野球、高校で硬式野球と区分されていた。

正式な部活動は、中学に入ってからとなる。

 中学に入れば野球をやりたいと思っていた私は、
小学6年の夏から父に言われた「先んずれば人を制す」を実行した。

つまり「走りこみ」と「壁投げ」を、
中学校入部前の日課としたのである。

「走りこみ」は、家の隣の大根池を大きく回る2kmの周回コースを設定して、
タイムを計りグラフにした。

記録して日々書き込むことが継続の決め手となる。
そのためにストップウォッチが欲しいが、
そんな贅沢品は無理なことがわかっている。

そこで目覚まし時計を持ち出して使った。
ゴールとともに秒針を押さえて止めた^^。

・人生の源泉となった習慣

 グラフにつけると日々速くなるのがわかる。
走るのが楽しくなる。

この時養われた走力が、陸上部のない一本松中学校で、
選抜陸上大会や駅伝大会の選手に選ばれる要因となった。

また、宇和島市で行われた一泊の南予新人陸上競技大会の
男子四人女子二人の選手となり、
永遠の憧れのマドンナ狩野五十鈴さんを知るきっかけともなった…。

 ちなみにこの「記録」することが、いい「クセづけ」となって、
大学1年時から始めた「読書ノート」が現在まで続いている。

年度の読書数を棒グラフで表し、折れ線グラフで生涯読書数を描く。
その上にその時の職名などを記録しているので、
これまでの「自分史」となっている。

折れ線グラフの傾斜度が、心の成長度そのものの気がする。

 「壁投げ」は、走りこみのあと、大根池の干上がった場所で、
コンクリート壁に石をチョーク代わりに目標の円を描いて、
ストライク100球等、目標を決めて投げ込んだ。

やがて軟式ボールが、数週間で裂けるようになった。
慣れてくると、守備練習として壁と平行に走りながら壁とキャッチボールした。

 そのお陰で強靭な肩となって、中学に入部直後、
センターから一気にサードに抜擢された。

その後50代になっても年甲斐もなく、
職場のソフトボール大会などで投手・4番を自ら名乗り出る原動力がここにある。

 そして何よりも、父の「先んずれば人を制す」を実行しながら、
「継続は力なり」を学ぶことができた。

なにごとも最初はできなくとも、
とにかく日々継続して練習する。

歩みを止めない限り、
継続する限り必ず目標に達することができる。

 中学を卒業してふるさとを出た後も、
帰省した時には、この2キロの周回コースを確かめるように必ずジョギングする。

子供ができてからは子供も一緒に走った。

 今思えば、わが人生の心のパワーの源泉といえるのかもしれない。
その契機となった「先んずれば人を制す」を教えてくれた
亡き父に今でも感謝している。


【PROFILE】
 池田整治
 Seiji Ikeda

 全空連理事。全日本実業団空手道連盟理事長。全自衛隊8段。
 
 ・陸上自衛隊第49普通科連隊長を経て、現在、陸上自衛隊小平学校で
 人事教育部長/1等陸佐。阪神淡路大震災での救護活動や、2000年の
 有珠山噴火では自衛隊の幹部として救護活動に従事した。
 95年の地下鉄サリン事件では、その直後の上九一色村強制捜査に、
 自衛官として唯一、突入。
 
 ・1955年3月22日、愛媛県生まれ。小・中学校時代は野球少年で、
 高校でも野球をやりたいという夢があったが、農家の二男ということもあり、
 高校に行くなら農業科ということで、普通科に行くという選択肢はなかった。
  
  高校進学で悩んでいる折、隣の町に横須賀の‘陸上自衛隊少年工科学校’
 に学ぶ人から話を聞く機会があり、少年工科学校に興味を持つ。農業を営む
 池田氏の父は、元海軍の軍人で、義に生きる人であった。その父の影響で、
 少しでも国のためになるのではないかと思い、陸上自衛隊工科学校に入校。
  
  しかし、池田氏が入学した昭和45(1970)年頃は、米・ソの二極化対立の
 冷戦時代。自衛隊の存在が軍国主義、帝国主義につながるとの声が強く自衛隊不要
 論が声高に叫ばれる時代だった。そのような折、初めて乗ったワンマンバスで乗り方
 が分からずにいると、運転手に「税金泥棒!」となじられ、15歳の少年にとっては
 自分の存在を否定されたようなショックだったという。

  以来、同校で学ぶことが苦痛となる。田舎に帰りたいが、帰ってどうするという
 当てもなく悶々としていたが、防衛大学に入り大学卒の資格を取り、松山市で公務員
 になろうと考え直し、みごと防衛大学に進学。

  それまで野球少年だった氏が、「万が一の時は自分一人で対処できるだけの力を
 持っていたい」と考え、当時防衛大学の数あるクラブの中で、一番きびしい空手道部
 に入部を決心。ここで、同校空手道部を指導する中山正敏先生に出会い、薫陶を得る
 こととなった。

  日本人の本来の姿は、究極の‘誠の道’すなわち武士道の精神そのものだと、
 との考えの下、空手道の普及に努める。

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・最新アルバムが、なぜかひらかなくなっています。今、復旧に努めています。
 しばらくお待ちください。


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「心の旅路」(新風舎)
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