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2010年 12/26 武士道の本随「極め」

今年もあと六日。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。

私の方は、当面、31日までに
単著を書き上げるべく、必死に奮励努力中・・^^;

この間、「転生会議」(1/27日発売:現在アマゾン予約受付中)に
最終校正を確認。
「心の旅路」(1/10日発売)の写真等の最終確認。

一月からコラムを勤める
船井幸雄.comに第1回目の
原稿を送付。

2日前に、連載中のJKFanの新年号の
原稿を送付。

12月1日退官以来、無報酬が続いていますが、
引き続き、貧乏暇なしの状態・・・^^;

そうそう、、年賀状も同時並行作業中^^;;

と言うことで、今回は、空手道月刊誌「JKFan」
12月号に掲載される予定の5回目のエッセイを
お届けします。

ご笑覧ください。

また、写真アルバムには、
同じタイトル名で、エッセイに使った3枚の写真と
写メールで撮った12月の日々の花等の
写真を出します。

併せてお楽しみください。

正月は、名古屋の長男も帰宅し、
真菜の熱望により、
久しぶりに家族でディズニーランドに行きます。

その後、数年ぶりに、真菜を連れて夫婦で
四国愛媛の実家に帰省、
ご先祖様に退官の報告。

また、GOPの代理人として住んで頂いている
管理人さんと、今後の楽しい農業展開を
話して来たいと思います。

皆様も是非、よいお年をお迎えください。

*****************************
  連載5回目
  武士道の本髄「極め」


 私は、日本男児たるもの全員本物の空手道を身につけるべきだと思っている。
日本男児たるものいかなる場面、境遇にあっても
真の武士道体現者であって欲しいと願うからである。


 

咄嗟のときに何ができるか

次のような場面を想像してほしい。

あなたは陸軍(陸上自衛隊)の青年将校の中からから選抜され、
ロシアの軍学校に留学中である。

春うららかなある日、あなたとロシアの学友たち、
それに高官の令嬢たちが小川の堤防上の小道を談笑しながら散策している。

あなたは、その一団の先頭でロシア社交界の華といわれる人と話しながら歩いている。
すると突然、前方から農耕用の牛が暴れて小道を突進してくる。

あまりの突然のことに令嬢たちはその場に立ちすくんで動けない。
ロシアの学友たちはといえば、我先にと堤防の斜面を駆け降りて逃げていく。

さてこのとき、あなたはどのような行動に出るだろうか?

ご存じない人が多いかもしれないが、
これは日露戦争で部下を助けるために軍神となった広瀬武夫中佐の大尉時代、
ロシア留学中のエピソードである。

広瀬大尉は、咄嗟にロシア社交界最高の華“アリアズナ”を背に守り、
暴れ牛の前に仁王立ちとなった。

迫りくる牛を、眼光鋭く射すくめると、
その胆力に恐れをなしたのか、
牛は広瀬大尉の直前まで来ると急停止して反転、
来た方向に逃げ去った。

この一件でアリアズナは広瀬大尉を心の底から惚れ込んだ。
普段は木訥で柔和な広瀬大尉の、いざというときのこの剛毅な胆力に、
日本武士道の鏡をみたアリアズナは、秘かに彼を生涯の伴侶として選んだ。

彼女は、日露戦争で広瀬武夫中佐亡き後も、
彼を心の夫として生涯を独り身で通した。

日露戦争で敵国同士になった悲劇とともに、
いまでも歴史上のロマンとして両国で語り伝えられている。

広瀬中佐は、草創期の武道性の強い講道館柔道5段。
講道館柔道の創始者嘉納治五郎師範をも投げたと伝えられる程の腕であったという。

心技共に真の武士道体現者であったわけである。


 

あなたは愛する人を守れるか

 ちなみに私の入部した防大空手道部は、
日本空手協会創始者で主席師範であった中山正敏先生の肝いりで創部された。

そして、そのOB会を“拳冲会”というが、
中山先生が空手道の修行の目標として示されたもので、次の意味がある。

「拳」一端儀を見て立てば、千万人を敵とするも恐れぬ勇気胆力を養うこと
「冲」内に謙譲の心(押忍の精神)を養い、外には常に柔和な態度を保つこと

 男子たるもの一歩門を出れば百万の敵がいるともいわれる。

 そうでなくとも人間修養を目指す本学を教えず、
「今だけ・自分だけ・お金だけ」を求める末学ばかりを教えてきた
なれの果ての乱世・現代日本では、弱肉強食のごとく、
いつ暴力沙汰に巻き込まれるかも知れない。

一人なら逃げえても、愛する人が巻き込まれたときに、
あなたは敢然とその人を守ることができるだろうか。

15歳で反対勢力の荒波に揉まれた私は、
防大に入学すると、躊躇なく空手道部の門を叩いた。

体験上からも、高校までは団体スポーツで協調性を養い、
大学からは武道で自己鍛錬・修養に努めることが望ましいと考えた。

なぜなら個人的にも、あるいは一朝有事のときの職業上からも、
まず自分と愛する人を守る力がなければ男として話にならない。

これは世の男性共通の課題ではないだろうか?


 

「空手道」こそが、本物

「数ある武道の中でなぜ空手道なのか?」

これは少工校時代の学園祭での各部の演武などで、
空手道こそいざというときに役立つと本能的にわかった。

実はこれは、戦後日本を占領した米軍が
空手道を正課として採用するときの検証に基づく理由でもある。

その検証とは・・・。

 第二次世界大戦で英国を支援するための対ドイツ戦開始の口実作りのため、
日本にハワイを奇襲させた米国は、小国日本などすぐに片づけられると思っていた。

ところが4年の長期にわたる激戦で
最後は原爆まで投じてやっと勝利を収めることができた。

彼らは日本人の強さの秘訣に武道があることがわかり、
彼ら自身が軍に採り入れようとしたのである。

 そこで、短剣で襲ってくる相手にどの武道が有効か試験した。
その趣旨上、剣道は対象外であった。

柔道と合気道が腹を刺される中、
空手道だけが襲いかかってきた短剣を払うや
瞬時に正拳を相手の急所に極めた。

その試技者こそ壮年期の中山正敏先生であった。

これ以降、米戦略空軍や憲兵隊などが正規に中山空手道に入門し、
この結果として一気に世界に空手道が波及することとなった。


 

徹底して基本稽古を

 それまでの武道稽古は、見取り稽古といわれるように、
体験的な指導が主体であった。

ところが合理的精神の米軍人あるいは西欧人は、
科学的理論に基づかない指導は受け入れない。

そのために、後ろ足で地球を押す反作用が
どのようにすれば瞬時に拳の一点に伝わり、
膨大な破壊力を発揮する「極め」となるかという理論を
中山先生が世界で初めて確立したわけである。

そのために流派を名乗らず、
船越義珍先生を主席師範として
日本空手協会と名乗ったわけである。

 その空手道も、試合のためにルール化すると、
試合に勝つための技に劣化し、本来の武道性を失う。

武道としての空手道は、
いざというときに相手を一撃で殺せる「極め」があること。

極めのないポイントだけの技は、
武道の本質を忘れたスポーツ空手道に堕する。

日本空手道創始者の船越義珍先生、
近代空手道中興の祖であり我が人生の師でもある中山正敏先生が
試合偏重にならないように常に戒めていた。

そのため、中山先生の指導下、
空手道本来の「極め」を体得するため防大4年間は、
徹底して基本稽古が行われた。

当初入部した同期は40名いたが、
結局卒業まで残ったのは10名であった。

 


一撃必殺の心の構え

 じっと膝を曲げたままの前屈姿勢での1000本突き、
人を肩車しての移動前蹴り等、
徹底した基本稽古の繰り返しの苦しさに辞めていったのである。

この基本の大切さは、
江戸時代のある親孝行の百姓の息子の
エピソードで理解することができる。

 父を無礼討ちと称して殺された百姓の息子は、
父の無念を果たすために仇(あだ)討ちを決意。

唯一の武器である出刃包丁で、
朝夕いかなる日も欠かさず庭の柿の木の一点を敵の首と見定め突いた。

10年後、柿の木に穴が開いた。
自信を深めた彼は、かの侍の前で名乗った。

武士は、「生意気なっ!」と叫びざま、
刀を抜いて一気に切ろうとした。

その刀が鞘を出る一瞬前、
百姓の息子の出刃包丁がみごとに仇の首を突き刺していた。

まさにこれこそ武道の極めの見本である。

私も入部後、道場の前にあった栗の木を稽古の前後に毎日突いた。
4年後、突いた方は平らになり、断面図が半円形になった。
皮もむけ、やがてその上が枯れてきた。

それ以降自分なりの極めの要領をつかみ、
この後これまで後ろ足の地面の蹴りで巻きわらを突く鍛錬を日々の日課としてきた。

もちろん、「いざ」という時は一度もなかった。
専守防衛の自衛隊が有事にならない限り武力行使しないのと同じである。

使うときは、相手を殺す必要がある場合だけ。
一生涯実戦はない方がいい。

ただ、警察のオウム上九一色村強制捜査の同行支援の時は、
「後の先」で一撃必殺の心の構えだけはしていた。


次回は、いよいよ中山正敏主席師範がなぜ自ら防大を指導されたのか、
その思いを語りたい。

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「心の旅路」(新風舎)(新日本文芸社:改訂版)
メルマガ:心のビタミン(エッセー) http://www.emaga.com/info/heart21.html
池田整治氏インタビュー1/2「21世紀の武士道とは?」
http://www.youtube.com/watch?v=trD5QVMX33s (前段)
http://www.youtube.com/watch?v=irCkGefXtZs (後段)
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