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2009年 11/10 中津峡、峠の初雪…その一

中津峡、峠の初雪
 
 11月3日、秩父山地最北の中津峡紅葉の撮影に行ってくる。
自宅から東京外環~関越自動車道を通り、花園インターで降りて、
国道140号沿いに約130km。

時間にすれば、ものの2時間足らず。
随分早く来れるようになったと驚く。

思えばここを再訪するまで、なんと長かったことか…。

 と言うのも、中津峡には5年前の12月初旬に、
晩秋の紅葉の撮影に来ていた。

その時の最後のシャッターチャンスで撮った、
落日のスポットライトに照らされ桜のように見える
紅葉の一群のワンショットが部内のフォトコンテストで入選していた。

 その時は、秩父鉄道の終着駅の三峰口まで電車で来て、
そこからレンタカーを使って中津渓谷を撮影した。

まだ当時は、滝沢ダムが工事中で、
中津川沿いの美しい自然の渓谷全てを走りながら撮れた。

もっとも三峰口からの国道140号も
狭くて時間はかかったが。

 今回二度目の中津峡写真紀行で、
11月初旬にしかも埼玉県内で思わぬ初雪の撮影ができた。

 
 ここで中津峡の細部位置を説明しよう。

 簡単に言えば、中津峡は都内を流れる荒川の最上流で、
二つの大きな水源の北側の一つである。

関越自動車道の花園ICを降りてからは、国道140号沿い、
つまり荒川沿いにさかのぼることになる。
途中、川下りで有名な長瀞の渓谷がある。

 三峰口から、御岳山の南に延びる稜線を時計回りに迂回しながら
荒川沿いの渓谷を約10km西に走ると大滝温泉に出る。
ここから荒川は二つの支流に分かれる。

左に旧国道140号沿いに行くと3キロほどで二瀬ダムが見え、
その秩父湖が南側の沢の水を全て集めている。
こちらを荒川と昔から呼んでいる。

 右側に新設された国道140号沿いに進むと、
いわゆる中津川沿いの渓谷となり、
ここが関東随一の紅葉の名所として有名だった中津峡である。

あえて過去形にしたのは理由がある。
荒川との合流点から中津川沿いに3キロ弱進むと、
今では大きなループ橋を回って登りながら滝沢ダムの上に出る。

そして秩父湖の数倍の大きさの奥秩父もみじ湖に圧倒される。
つまり、このダムとその人造湖のお陰で、
中津峡の下流域約10kmの自然美が水の中に永遠に沈んだ。

秩父湖と同じく、奥秩父もみじ湖がこちら側の沢の水を全て集めて、
荒川の源流として放水している。

 この新ダムの建設に伴い、
国道140号もさきほどの大ループ橋に見られるように、
このダムの北側沿いに新設された。

そして、奥秩父もみじ湖の中程の中津川大橋でダム湖を南側に横切り、
そのまま大峰トンネルを経て、
関所跡で有名な栃本で旧国道140号に合流している。

ちなみに国道140号は、
さらに荒川の上流支流の一つである滝川沿いに南西に進み、
秩父山地を縦貫する雁坂トンネルを経て甲府までつながっている。

 この新ダム建設で国道140号も全線にわたり立派な道路となった。
確かに便利になったが、5年前を知っているだけに、
自然を求めてきた者には寂しい。

ダムには、見学用の駐車場も完備されていて、
ダムの上から写真も撮れた。

もちろん、一眼レフの重いカメラを首に下げてダムの中程まで進んだが、
全く感動がわかず、携帯電話のカメラで一枚だけ記念に撮って、
早々に上流、本来の中津峡を目指した。


 中津川大橋の麓から国道140号に別れを告げ、右に右折。
県道210号沿いにいよいよ中津峡に入る。

今では、ここから雁掛トンネルまでの約10km弱の県道210号沿いが、
残された中津峡の紅葉スポットとなっている。

この間は深い渓谷沿いに小さく蛇行しながら、
いくつかの小さなトンネルを越えてほぼ北に進む。

そのため午後になると、西陽に渓谷の東斜面のみ、
紅葉がスポットライトのように映し出される。

県道も渓谷の西側を走っているので、谷越えにいい構図で撮れる。

ズバリ!おすすめのスポットは、小さなトンネルを北側に出たところ。

トンネルは小さな山ひだをくりぬいて作る。
だから狭いながらも旧道が山ひだを迂回しながら渓流沿いに今も残っている。

そこから下流、つまり南の方を望むと、
対岸の山ひだの尾根のところが西陽にスポットライトを浴びて浮き上がって見える。

やや逆光気味なので、なおさら太陽光線の当たったひだの先が、
満開の桜のように輝いている。

特に、太陽が西の尾根に落ちる最後の瞬間がベストショットとなる。

 これは、中津峡が北北西にのびていること、
微妙な渓谷のひだ、それに西側を道路が走っていて、
対岸を谷越えに撮れる旧道の撮影ポイントがあることなど、
天からの贈り物だ。

あとは、いつ、落日の瞬間に、
ピンポイントでどこからどのひだを狙うか…である。

日々太陽の位置は変わるし、その時の天候にも左右される。
これらの条件がすべてそろったときに、
記憶に残るワンショットが撮れるであろう。

もっとも県道210号もダム建設の一環として綺麗な舗装道路になっていた。
そのためか、マイカーでのカメラマン等が多かった。

中程の公共トイレのある小さな空き地に、
1軒だけ地元の人の出店の小屋がある。

山の土産物と暖かいうどんなどが味わえる。
5年前の時は、小寒い晩秋にガタガタの山道を走ったこともあり、
愛媛の田舎に帰ったような懐かしさで店に立ちよった。

その時は、お客もまばらでお店の人とも楽しく会話した。
ところが、今回はどこにでもある観光名所の売店のような感じがして
立ちよる気になれなかった。

 多くのカメラマンも、路肩の駐車できるスペースに止め、
その近くのモミジをスポット撮影していた。

モミジだけ撮るならわざわざ中津峡まで来ることもなかろうに…と思いつつ、
その脇を車で通り抜けていった。

 実は、今回の撮影紀行は、今年まだ二回目である。
先回は、5月のゴールデンウィークの中日(なかび)の5月1日、
子ども達が学校の日を選んで、神奈川県丹沢の大山を登山しながら撮影してきた。

 昨年も、3月に単身赴任を解消して以来、
5月の連休に秩父の御岳山しか登っていない。

単身赴任の時は、ほぼ週末ごとに撮影紀行していた。
そういう意味では、単身赴任は二度と帰らぬ貴重なひとときであった。

 もっとも単身赴任解消後の週末は、
空手道の理事長としての役目以外の日は、
家族への信頼貯金を黒字にすること、
それゆえ三男のボーイズ野球の支援と決めていた。

その野球も8月の岐阜選抜全国大会で終了し、
自動的に三男は高校受験に突入。

次の高校野球が始まる来春まで、
晴れて私は自由に週末の撮影紀行に…と思っていたが、
現実はなかなか厳しい^^;

 仕事もあれば父親としての役目もある。
それに関東平野の真ん中付近に住んでいるので、
自然が残っている山地までは、
思いついてちょっと行くには遠すぎる。

つくづく関東にはもう大自然が残っていない、
と思わざるを得ない今日このごろである。

わが4人の子どもたちも、
もうコンクリートジャングルが彼らの心のふるさとになってしまっている…。

これだけは、親として不憫でならないが、
もう本人達自身が大自然を懐かしく思わない感覚になってしまっている。

 母が生きていた頃には、年数回かならず愛媛の最南端の一本松町に帰省し、
子どもたちも、「おばあちゃんの田舎で暮らしたい」と言っていたものだが…。

 さらに最近は妻が、「お父さん、もう山には登らないで」と口うるさくなった。
『結婚30年、おれもまだまだ愛されているなあ』と感激していたら、
その原因は、同じ埼玉在住のクレヨンしんちゃんの作家の
山での転落死亡事故にあることがわかった。

一番下の真菜もまだ小6であり、下3人の子どもの教育費など、
これからまだ10年間はしっかり稼いでもらわなければならない夫に、
今勝手に山で死んでもらっては困る、というわけだ。

 
 今回3連休の中日(なかび)を利用しての中津峡行きに際しても、
前日には「鎌倉にいけばいいよ」と提言してきた。

そこで私もネット情報をとったが、鎌倉の紅葉は12月に入ってからである。
そこで、中津峡は、川沿いの撮影だから大丈夫だよと言って
翌早朝車で出発したのである。
 
『ふ~~!やはり、単身赴任が恋しい!!』^^;;


 それでも妻は、朝5時半には起きて、
しっかりおにぎりとお茶、それにお菓子を用意してくれた。

平日に仕事に行くときも、
6時にはありあわせのものでおにぎりを一つ作ってくれるが、
今回は特に二種類の大きな具入りのおにぎりであり、
心から感謝した。

 山の店に寄って食事する必要もなかったわけだ。

                     (その二につづく・・・)





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