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2009年 5/7 朱に染まれば…

朱に染まれば…

 連休前に、執務室の窓の下の柵沿いのツツジを、携帯電話で撮影した。
今年のツツジの撮り納めである。

 今まで遠くから眺めていたので、
赤、白、ピンクのそれぞれの種類の違うツツジが植えられたものだと思っていた。
 
 ところが、近寄って一つ一つの花を撮ってみて驚いた。
 その驚きを短い詩でまとめてみると……

   ツツジ、朱に交われば……

 違うものが隣に来ると、人は警戒し、時には相争う。
   ところが自然の中では、お互いのいいところを出し合って融合し、
     新しい美しい花が誕生する。
       白と赤でピンク。
        自然って賢いなあ。
         人も自然の一つなのに…

 撮りながら、幼い頃の思い出が蘇ってきた。
 愛媛の最南端の一本松町(現愛南町広見)の実家での思い出だ。

 実家は、大根池という農耕用の池の東南に接していた。
 池の南端の土手の上を小道が東西に走り、
その小さな道を挟んで、北側に母屋、南側に牛小屋や納屋・離れがあった。

その南側の東端に梅の木と八重桜が並んで植えられていて、
牛の繋ぎ場としていた。

並ぶといっても、間隔が5mほどあり、
西側の梅の枝をみごとに盆栽のように直径1mほどの団子を数個作りながら
八重桜まで伸ばしていた。

祖父の代からの梅を父が丹誠込めて作ったものだ。

 その梅の木に、なんと八重桜のような花が咲くようになった。
中学の理科の先生まで観察に来て珍しがったものだ。

おさな心に桜と梅が結婚したと思った。

 ところが、経済成長の波が田舎まで押し寄せて、
その田舎道を車が走れるように舗装道路に拡張することになった。

町道としての工事で、補償金はでず、
土地を無償提供する形になる。

ちなみに、同じような提供でも、
国道に提供した場合の家が急に立派に建て替えられたのを見て、
子供ながらうちも国道にして欲しいと思ったものだ。

 その拡張工事が始まり、
南側の納屋のひさしを支える柱までぎりぎり削っていて、
柱の一つが崩れてひさしが壊れた。

 すると父は、意を決したように、
梅のみごとに桜の方へ伸びた枝を切って、幹だけにした。

そして数年後、納屋を取り壊し、今の実家を新築した。
実家が道路の北側から南側へ移動した訳である。

 思うに、梅を切ったのは、家を分断する工事に対する無言の憤りと、
新たな家を建てるという自らへの決意の現れとしたのかも知れない。

 いずれにせよ、切られた梅を見ながら哀しい思い出だけが残っている。

 今、その梅の2mほどの残った幹は、
新たな家の小さな裏庭に残っている。

しかし道路ができて便利になっても、
田舎で子供4人を養うことはできない。

ここ数年は、帰省さえできず、空き家同然としてしまった。
でも、きっと今年も一つ残ったボンボンに梅の花を咲かせてくれたと思う…。


 自然は、種さえちがっても、
  共生して成長し、新たな生き物をつくる。

 だのに、人間は、お金を稼いで豊かになりながら、
その自然を、ふるさとを無くしていく。

 やがて、自然を失って初めて、
  自らも生きていけないことを知る。
 
 自然が復元できるうちに、本当の生き方へ、
         人はシフト(転進)できるのだろうか…?

 こういう思いを抱(いだ)かせてくれた、
ツツジのみごとな融合美をアルバムに載せました。

 御笑覧いただければ幸です。


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