2008年 11/22 キャッチボールパートⅡ
キャッチボール…パートⅡ
武蔵野郊外の秋とともに・・・
「5階で壁投げしてくる!」
10月28日、二日間の中間試験の終わった火曜日の午後9時過ぎ、
三男悠人・中2が心の奥から湧いてくる新たな決意に促されるように、
初めて手にした外野用グラブを持って玄関を飛び出そうとした。
これまでトレーニングしてきた5階の広場は、
マンションの10年大修理工事の事務所が置かれて、
壁投げと言っても5mぐらいの距離しか取れない。
「5階は、工事のプレハブがあるから無理じゃないか?」
「大丈夫、軟球でやるから!」
そのまま勢いよく、夜の静寂(しじま)の中に飛び出した。
私も悠人が小学校時代に使っていた軟式用グローブを取り出して後を追う。
話はその十日ほど前の19日、日曜日にさかのぼる。
この日、悠人達オール草加ボーイズの新チームにとって、
初めての本格的な大会である埼玉県支部秋季大会の準決勝、決勝が行われた。
1週間前に、緒戦である2回戦と引き続きおこなわれた3回戦は勝ち進んでいた。
準決勝は、練習試合で使ったこともある鷲宮高校のグランド。
春に登った奥多摩御岳山と筑波山の中間点に位置し、
利根川水系沿いの田園風景の残る武蔵野郊外にある。
試合の時はいつもフイルムカメラの一眼レフを持って行くが、
あいにくこの日はフィルムを切らしていた。
売ってる店は、高校から約1.5km離れたコンビニしかない。
しかもこの日は他の父兄の車に相乗りで来ていたので、
仕方なく歩いていくしかなかった…。
ところがこれが正解であった。
田んぼのあぜ道や聚落の小道を歩いていると、
ススキ、タンポポ、野菊や名も知らない黄色い花等々がしっかりと秋を刻んでる。
農家の庭先などにも赤く熟れた柿の木やコスモス、
初めて見る蔓状の野菜の花などが秋の彩りを飾っている。
もし車で行っていたら絶対にお目にかかることはなかった。
往復約3km、時間にしてわずか1時間弱だが、
試合前に携帯電話のカメラでしっかりと武蔵野郊外の秋の撮影紀行を楽しんだ。
この春に携帯電話をバージョンアップしていて良かった^^;
お蔭でバカチョンカメラ並の鮮明さの写真が撮れた。
…これは妻に感謝。
世の中起こること全てが、必要・必然・ベスト。
週末は、空手道理事長としての務めと北芝道場での稽古指導以外は、
オール草加ボーイズの野球支援と決めている。
文字通り「有り難い」貴重な超ミニ撮影紀行となった。
こういうわけで今回は、武蔵野郊外の田園地帯の隠れた
小さな秋の散策の楽しみ方を、携帯電話で撮った写真で紹介したい。
是非、下記の「北海道の四季パート3」をご笑覧下さい。
さて、肝心の試合の方は、準決勝を9-2の6回コールドで勝ち、
決勝のため草加市の隣の吉川市の球場に移動した。
先週の日高市での試合から勝つたびに、
鷲宮町、吉川市と埼玉県内を北西から東南に、
オール草加ボーイズのホームグランドに近づいて来たわけである。
決勝の相手は、5年前の次男聖人・現大1の時も全国予選決勝で戦った
武蔵佐山ボーイズ。
オール草加ボーイズの永遠のライバル的存在である。
2年生団員16名と数は少ないが、
4人の投手が揃い春夏連続の全国大会出場を狙うオール草加ボーイズとしては、
1ヶ月後の春の全国予選大会前だけに、
是非とも勝って相手に苦手意識を植え付けたいところである。
しかし結局、その決勝は、
ヒット数オール草加8本に対して武蔵佐山3本と勝ちゲームだったにもかかわらず、
2-3の逆転負けをしてしまった。
我が悠人も3打数2安打で、先制のホームを踏む等打撃も快調だったが…。
敗因はただ一つ、守備の要のショートが肝心な所でトンネルをした。
しかもそのエラーを皆でかばい合って補う声・覇気がチームになく、
ショートも自信を失ったのか、ミスを重ねてしまった。
試合終了後直ちに閉会式が行われ、
準優勝の悠人達の首に銀メダルがかけられたが、
全員顔はうなだれていた。
そして、そのまま球場を借りて守備の特訓を1時間ほどおこなった。
ところで同じ時期におこなわれた埼玉県の高校野球秋期大会で
県立川口青陵高校が大躍進し、
公立の星と騒がれ準優勝するというビッグニュースが入った。
その川口青陵高校には、オール草加ボーイズ出身者が3名入っており、
レギュラーとして大活躍したのだ。
引き続きおこなわれた関東大会でもベスト8に入っており、
21世紀枠等で来春甲子園出場の期待が持てる。
川口青陵高校は、偏差値は40ぐらいの公立高校である。
ひと昔まで荒れている学級もあったと聞く。
オール草加ボーイズでもレギュラークラスで、
ある程度学力があり、野球も上手い子は、私立の強豪校に進学する。
その3人は、決して私立強豪校から声のかかるような存在ではなかった。
でも、オール草加ボーイズの特徴として、全員平等に練習をおこなっており、
たとえ公式の試合に出られない子でも、鈴木監督から3年間同じ練習・指導を受け、
高校野球で十分に通用する。
そのいい証明となった。
その3人が、県大会が終わった次の土曜日、
オール草加ボーイズグランドの鈴木監督のもとに学生服で挨拶に現れた。
銀色の穴のいっぱいある幅広のベルトに、
こころなしかズボンの裾もラッパ型で広い。
まるでテレビドラマのルーキーズのようだなと思った。
でも、本当に素直ないい笑顔で監督に報告していた。
人生は、必ずしも大きくて力があって、すばしこい人が勝つとは限らない。
決して「負けない」と諦めずに努力をし続ける人にのみ、
やがて人生の勝利の女神が微笑む。
また同じ時期に、悠人と最も親しかったO君が退団していった。
体格も頭も良く、入団したときはピカ一の存在だった。
悠人は、O君がキャプテンになればいいとさえ言っていた。
ただ中高一貫校の私立中学なので土曜日に授業があり、
練習量が皆の半分。
どうしても練習量の多い子が上手くなり、
せっかくご両親が応援に見えられてもレギュラーとして出場できない。
お子さんも一人であり、小さいときから少年野球等で主役できたO君親子には、
試合に出れないことは意味のないことに思えたのかも知れない。
しかしながら今回の公式戦の3回戦でも、
最後はサードで出してもらって、見事5-4―3、
つまりセカンドの悠人とのダブルプレーを見事成立させてゲームセット!となった。
これはO君にも悠人にも生涯のいい思い出になるだろう。
ただし次の週末におこなわれた準・決勝の試合には、
翌日月曜日から始まる中学校の中間試験の勉強を優先させてこなかった。
確かに勉強を優先させれば、
その前日の土日は勉強させたいと思う。
学年順位3桁の悠人の方が本当は必死で勉強しなければならないところかも知れない。
しかしながら悠人を含み他の子は全員それでも野球を選択している。
でないとクラブチームは成り立たない。
私は、是非O君には勉強と野球をオール草加ボーイズで両立させ、
聖人が及ばなかった道、すなわち小野塚先輩のように全国大会に出場し、
早実に野球推薦で入学して欲しかった。
それだけの高い能力をO君は持っている。
退団したO君は、勉強との両立を図るということで隣の草加南ボーイズに入団した。
彼の力なら同チームでレギュラー出場できるかも知れない。
しかし高校で野球をやるという客観的な長い目で見れば、
試合に出る出ないに関わらず、
鈴木監督のもとで3年間指導を受けた方が遙かにO君のためと思う。
しかしながら人それぞれ「選択」があり、
その選択に応じた体験を通じて人は成長する。
O君が将来有名強豪校で活躍することを祈りたい。
また、家庭の事情でバットを買ってやれない悠人に、
重さの違うバット3本を快く貸してくれたり、
家に遊びに行ったときにご馳走していただいたO君親子に心から感謝を述べたい。
そういう意味でも、
けっしてオール草加ボーイズ時代に強豪校には注目されなかった
川口青陵高校3人組の活躍は、心から嬉しくなる。
川口青陵高校なら三男悠人の学力でも入学できる可能性はある。
ただし…甲子園に出て、偏差値が上がることもある。
あとは悠人の学力アップを親として信じるしかない。
その3人組が挨拶にきた土曜日の守備練習から大きくポジションが変更された。
O君とともに、レギュラーとして出場の機会がなかった
T君も草加南ボーイズにいったので、
14名+1年生で来年の夏の予選までに最適の布陣にしなくてはならない。
そういうわけで悠人もレフトの練習をやることになった。
聖人が、全国大会予選直前に投手兼センターからセカンドに急遽代わったのと逆だ。
硬式野球では、内野と外野のグローブは全く違う。
値段も3万円はする。
子供4人もいると、都会のローン生活では、そう簡単には買ってやれない。
こういう事情を見て、次男聖人・大1が、
武南高2年で捕手にコンバートされるまでレフトで使って
大事に記念として持っていた外野用グローブを、
中間試験の終わった日の夕食時に、悠人にプレゼントしたのである。
そして大事そうにその感触を確かめるように、
マンションの5階の広場に壁投げに向かったのである。
5階にいくと、やはり軟式ではなく、
硬式ボールを壁に当てて受けていた。
お父さんが受けてやるよ、と言ったが、
広場は使えず隣の道路も照明は暗い。
するとよく知っているもので、
200mほど離れた新しい公団の広場に悠人が案内した。
その電柱の照明下で、悠人と久しぶりにキャッチボールした。
それまではセカンドなので私がゴロを投げて、
悠人が素手で取って返球する要領でしていた。
今回は、悠人の言うとおり、なるべく高くフライを揚げた。
痛めた肩は痛いが、ここは、悠人が満足するまで投げた。
二人のキャッチボールだが、
聖人も含んで親子3人の心のキャッチボールである。
キャッチボールしながら…
グローブもさることながら、
バットも買ってやりたいなあ…。
聖人が高校時代に使っていたバットは悠人にはまだ重くて使えない。
やはり、売れる本を書くしかないか…
と心でつぶやいた^^;
そして一連の今回の出来事を通じて、大好きな「信念の詩」が頭に浮かんだ。
負けると思ったらあなたは負ける
負けてなるものかと思えば負けない
勝ちたいと思っても、
勝てないのではないかなと思ってしまったら
あなたは勝てない
負けるのじゃないかな、と思ったら あなたはもう負けている
というのも、成功は人間の思考から始まるからだ
全てはあなたの心の状態によって決まるのだ
自信がなければあなたは負ける
上に登りつめるには 高揚した精神が必要だ
人生の闘いに勝つのは、必ずしも
最も強くて、最もすばしっこい人ではない
最終的に勝利を収めるのは、
「私はできる」と思っている人なのだ
がんばれ悠人!がんばれオール草加ボーイズ!!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
心のビタミン(エッセー) http://www.emaga.com/info/heart21.html
北海道の四季(写真) http://groups.msn.com/jjt8khvnlvgq2ipf5spd2vq9r4
北海道の四季(写真)パート2 http://groups.msn.com/hearthul2006
北海道の四季(写真)パート3 http://groups.msn.com/hearthul2008
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇






