2008年 10/27 キャッチボール・・・悠人地区大会ベスト4の裏で(その二)
悠人達は団バスで先行している。
親達は通常乗用車数台に乗りあうが、
今回は我が家だけで自分の車を使い、
妻が後部席、次男が助手席に座った。
このポジショニンングは、かって私の親が健在の時に、
愛媛の実家に帰省するときとなどと同じである。
助手席には、長男から順番に繰り上がってきて、
今は通常悠人がその位置にいる。
車という外界と遮断された共有する濃密な空間は、
お互いが前方から流れる景色を眺めていて、
一種の共通の瞑想のような感覚になることもあり、
自然な会話に最も適している。
蓄積された様々な思いやわだかまりを、
後ろに流れる景色とともに過去に洗い流して、
今の素直な気持ちでお互いに話すことができる。
是非、家族でなるべく長いドライブをおすすめしたい。
暫くすると聖人が「オレ前期クラスで2番だったと」と妻に話した。
そして改めてドイツ留学のお金を何とか工面しなくては…と言いつつ、
「将来、自衛官とか警察官とかもいろいろ考えているんだ…」と漏らした。
更に「将来についてオレほど真剣に考えているの同級生にはいないんじゃないかな」。
悠人達の第2戦の相手は、
1ヶ月間前の埼玉県新人戦で準優勝した本庄ニューヤンキース。
一つ上の3年生チームが、
昨年夏全国大会に出場している強豪の新チームである。
ちなみにオール草加ボーイズの昨年は、
今回の地区大会では優勝したものの、
ナンバー2の投手が練習嫌いでその後辞めていき、
全国大会予選では敗退している。
今日の試合は、まず球場の第二試合に行われる。
勝つと引き続き第三試合で、
第一試合の勝者とトーナメントのベスト4進出をかけて
第3戦としておこなわれる。
ボーイズの大会はほとんどダブル試合でおこなわれる。
同等のエース二人は最低限必要なわけである。
この点、悠人達は好投手が4人いて、
この意味でも大いに期待できる。
ちなみに聖人達は、聖人も含み投手3人で全国大会へ行った。
前の第一試合が終わって悠人達の試合までのわずかな間に、
スタンドに一緒に座っていた聖人が…
「キャッチボールしよう!」
三塁の芝生席の隅っこで久しぶりに親子キャッチボールを行う。
数年ぶりになるだろう。
形は野球のキャッチボールだが、
心のキャッチボールでもある。
1球1球相手の胸に投げては返すうちに
心の様々なわだかまりなどが熔けて一体感を味わう。
お互いに肩が慣れ、
特に久しぶりに投げる聖人の球筋が定まりかけたところで
悠人達のシートノックが始まり応援スタンドに帰る。
悠人は、セカンドで7番。
聖人は同じセカンドながら投手も兼ねて打順は不動の1番だった。
まあまだ成長期の来てない悠人は、
当時の聖人に比べ身長が約15センチも低くパンチ力が弱い。
ただし聖人と違い、中学から左バッターに自ら転向した。
小3の時から箸なども自分で左手に変え、
左右どちらでも打てるようになった。
打撃のミートもうまく、
決して三振しないのは兄弟よく似ている。
試合は、その悠人が綺麗に投手の股の間を抜いた
センター前ヒットで出塁してチャンスを作り、
先制のホームベースを踏んだ。
結局、強豪相手に5-3で勝った。
悠人も二安打し、ともに得点に絡んだ。
守りでも、相手チームに左打者が多く
守備機会の最も多かったセカンドを
難なくこなして勝利に貢献した。
第3戦の相手は、草加南ボーイズ。
1ヶ月前の新人戦の初戦で当たり、
最終回まで3点リードされ、
オール草加ボーイズの歴史で初めて草加南に負けるのか…と危惧されたが、
何とか最終回に逆転勝ちしたチームである。
その試合前の昼食休憩の僅かな間に、次男がまたまた…
「もう1回キャッチボールしよう!」
今度は、私はキャッチャーとなって聖人に投球させる。
変化球も交え久しぶりに投球を楽しんだようだ。
そのまま終わろうとすると、
「今度はお父さん投げて」と
私とキャッチャーミットを交換して、
私が座っていた位置で捕手の姿勢になる。
やはり、11年間の野球人生で最後わずか1年間の捕手生活であったが、
思い入れもあるのか、あるいは野球の本当の楽しさを知ったのだろうか。
私も痛めている五十肩で、
ここぞとばかりに全力で10球ぐらい投げる。
そしてショートバウンドを上手く二回連続で取った聖人に
「お父さん限界だよ」と声をかけて応援スタンドに一緒に戻る。
ネット裏の応援席で、
他の選手のお父さんが「素晴らしい!!」と声をかけて下さる。
そういえば、監督から頼まれて練習の手伝いに草加グランドに来るOBはいても、
試合場に応援にきたOBを見るのは聖人がはじめてだと気づく。
第3戦は、2回に一気に7点を取って、結局9-1、
6回コールド勝ちを納める。
わずか1ヶ月で大きく実力と自信がついたのが傍目(はため)でもわかった。
これからの悠人達の活躍が楽しみである。
試合から帰った夜、
久し振りに家族6人が揃ったリビングで、
聖人が高校2年まで使っていた外野用グラブをはめて
軽くシャドーピッチングをしながら…
「オレ、日曜日空いてる時は、オール草加に野球支援でいこうかな」。
やはり心の根っこから野球が好きなのだ。
そして何よりも無心で楽しくおこなった久し振りのキャッチボールが、
素直な心を引き出した。
*親子のキャッチボールは、心のキャッチボール*
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