2007年 8/12 本宮山縦走・・・その一
本 宮 山 縦 走
5月12日、12時間かけてついに本宮山を縦走した。
一昨年豊川着任以来、週末を利用して積極的にママチャリで穂の国を訪ねてきた。
まだまだ有名な神社の祭りなどの撮影はできてないが、
それでもだいたい自転車で回れるところには行ったと思う。
つまり穂の国の平野部は、ほぼ「征服」したといえる。
だがそうするうちに北海道の原野などとちがい、
平野部において昔ながらの面影の残るのは、
神社、仏閣しかないことを改めて認識した。
その神社なども時代の流れの中で建て替えられるので、
本来の自然の感動を味わうことは難しい。
例えば、豊橋市の北のはずれにある石巻山山麓の賀茂神社の菖蒲園。
かっては、何もない原野の緑の絨毯の中に
ひっそりと点在する紫色のショウブが訪れるものに感銘を与え、
松尾芭蕉も「わび」「さび」の俳句を詠んでいる。
ところが今では神社前に、しょうぶ「園」としての庭園が残るだけである。
もちろん300種数万株にもおよぶ花菖蒲そのものを楽しむには十分であるし、
地元の貴重な観光資源にもなっている。
しかし、何かが物足りない。だから二度と訪ねてない。
もっと自然を味わいたい。
そういう思いで周囲を見回した時に目に入ったのが、
豊川・豊橋平野を取り囲む一連の山並みである。
そして心の奥からあの稜線を全部歩こうという声が。
その山並みも、東北から南西に豊川、
つまり中央構造帯が走っているので二つに区分される。
豊川平野の北面にあって東西に走っているのが
名峰本宮山を核心とした本宮山系で今回の縦走の目標である。
一方、豊川・豊橋平野の東面にあって南北に走るのが明石山系の弓張山地で、
その稜線は三河と駿河の県境になっている。
次回の縦走予定地だ。
足(車)がないので本宮山系を縦走するには、
市の中心部にある官舎を出て、
まず佐奈川沿いに源までさかのぼりとにかく稜線に上がる。
図上では本宮山頂上から直線距離で南西約5kmの位置なので、
そこから右折し、あとはひたすら稜線沿いに本宮山山頂を越え、
さらになるべく東の稜線を下りて、
豊川と並行に走る飯田線の「どこか最寄りの」駅から
JRで豊川駅に帰るという計画である。
ちなみに豊川駅から官舎までは、徒歩約2kmである。
三河湾に面した美しい姿の標高789mの本宮山は、
三河の名山中の名山であり、
千年近くの杉檜が林立した神山で、
頂上付近の自然林は神域として表示、保護されされている。
このため数百種の草木が繁茂し愛知県の天然記念物に指定されている。
頂上には、大己貴命(おおむなちのみこと)
つまり大国さまを祀る三河国一宮砥鹿神社の奥宮が鎮座されている。
古代人から今に続く信仰の中心であり、
人生の哀歓、苦悩、願望などの精神的問題も
御神徳の御力により自然の心に立ち帰らせ、幸せにみちびくといわれている。
地元では東三河邪馬台国論もある。
本宮山を頂点としたダイヤモンドの形に、
それぞれ円錐形の石巻山、御津山、蔵王山が位置している。
これらがピラミッドに相当するらしい。
いずれの山にも文献に書かれるより
はるかにいにしえからの言い伝えの古刹があり、
その社の向きが全て本宮山に向いて立っている。
またそれぞれの山頂には、太陽石を中心とした列石もあり、
太陽光を反射するための鏡石や巨石がある。
本宮山を中心に光通信をしていたとの説もある。
地元の気の研究家の中西さんによれば、
本宮山にそれらの山からの気が集まるので
本宮山の岩の上に寝ると暖かいとのことである。
車なら麓のウォーキングセンターの駐車場に止めて、
石段などでよく整備された登山道を使えば約2時間で登れる。
道端には、麓の鳥居の一丁目から奥宮の50丁目までを示す
石柱が立てられていて登山の目安となる。
今回は、三段跳びのホップ・ステップ・ジャンプのごとく
3回のアプローチで縦走を敢行した。
まず4月1日のホップの日は、
佐奈川沿いにさかのぼって果たして稜線への登り口まで行けるのか、
時間はどのくらいかかるのか確認のため、
河川敷の菜の花と堤の満開の桜並木を撮影しながら、
ほぼ真北に位置する山麓の千両(ちぎり)部落まで散策した。
距離は直線距離にして約5kmだが、
集落など場所によっては川沿いに歩けないところもあり、
集落を抜けてさらに1kmほど舗装道を北に進んだ稜線への登り口まで
約2時間を要した。
ただし、山麓の新緑に映える山桜などに感動して写真を撮りながらなので、
「本番」では1時間半ほどで山麓までこれることを確認した。
そこからは急峻な登山道となる。
1週間後の4月9日、ステップの日。
午前中仕事があったので、
午後半日で稜線まで一気に登り、
本宮山頂上の手前ほぼ中間の位置で
稜線に直交している高圧電線まで歩くことにする。
稜線は、いままでの経験から山道が整備されているはずなので、
順調にいけば本宮山頂上まで行けると判断していた。
ところが甘かった!。
2.5万分のⅠの地図では、
登り口から東北の方向沢沿いに稜線まで点線道がしっかり入っている。
ところが登り初めて200mもいかないうちに山道が消えてしまった。
それでもなんとか藪越えをしつつ、
稜線の下200mぐらいのところで点線道に直交している千両林道まで出たが、
それから先の登山道が見つからない。
かろうじて小型車が走れる林道は地図では実線道で描かれている。
その林道も今ではジープでさえも通れないほど荒れ果てている。
無理に急峻な山腹を削って造っているので、
山側が崖になっていて、
点線道も遮断され上り口がかき消されている。
かろうじて登れるところを見つけさらに稜線へ向かったが、
距離にして200mほどなのになかなか進めない。
人手の入らなくなった山林は荒れ放題で、
急峻な上に足元もブッシュで覆われているのだ。
それにこれまでの経験から一連の山地の稜線は単純に一本と思っていたが、
中央構造帯の圧縮岩盤が地表にでている奥三河の山塊は、
小さな稜線が複雑に絡みあっていた。
しかも林の中では見通しも利かない。
コンパスを持ってくるべきであったが後の祭りである。
地図を持っていてもコンパスがないので自分の現在地が特定できない。
時間は既に5時に近い。
これ以上の登山を諦め、引き返すことにする。
千両の谷の東側を歩いていることはわかっているので、
とにかくまっすぐ下りてさきほどの千両林道に出て、
林道を下れば千両部落に戻ることができる。
ところが林道の崖の上なのでなかなか下りる場所がない。
何度か小迂回するうちに緩やかな斜面を見つけて
やっと林道に下りることができた。
まるで仏様の手のひらの中の孫悟空のようだなと自嘲してしまったが、
『しっかり準備して登りなさい』という
大国さまからのメッセージだと理解した。
それに林道から眺める千両谷の山々の、
夕陽に照らされた新緑と山桜が錦絵のように鮮やかでいい写真も撮れた。
身に起こることは全て必然・必要・ベスト。
今回の経験を次の本番に活かそう。
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