2007年 6/23 楠木正成ゆかりの地を訪ねて・・・その二
私が、南朝の史跡に直接触れたのは、
今から20年ほど前の、京都宇治市での勤務時代である。
当時は、長男がよちよち歩きになったばかりで、
週末を利用して、京都や奈良のお寺巡りを親子3人で楽しんでいた。
200円払って朱印帳に記帳してもらうスタンプ巡りである。
そのうち、京都と奈良では、訪れる人への対応が違う事に気がついた。
京都では、観光化されているせいか事務的に記帳するだけである。
ところが、奈良では、住職さんが、まあ上がって行きなさいと、
座敷に上げてお茶を出し、暫くいろいろなお話をして下さる。
時には1時間以上も。想像してほしい。静かな谷間の古刹で、
四季折々の山景色を眺めながら、その時たまたま一緒になった方々と、
住職さんとお茶を飲みながら静かに談笑する。
それだけで、心が安らぐ。
そういう事があって、自然に奈良への思いが強まっていた。
そして、宇治から吉野の大峰山への縦走訓練の計画担当となり、
上北山村、下北山村、十津川村などを度々訪れ、
地元の方々に大変親切にしていただいた。
経路は、幕末期に、坂本竜馬など志士達が
新撰組の追っ手から逃げた尾根伝いの経路であり、
その先の奈良の最南端の十津川村では、
志士たちを、自分の子供としてかくまった土地柄でもある。
訓練のベースとした上北山村の若者達は、
山道などをいろいろ教えてくれながら「南朝の里」であったことを誇りにしていた。
その時以来、南朝の拠点、金剛山をいつか訪ねたいと心に秘めていた。
観心寺からは、千早赤坂村を東に横切り、
国道309号を使って水越峠を奈良に抜ける予定であったが、
一つ手前の千早川沿いに走る県道207号に間違って入り、
終点である金剛山ロープウェイ駅まで登ってしまう。
でも、お陰で千早川沿いの美しい渓流の山桜を撮影できた。
引き返すときに、渓流を利用した鱒釣り場の食堂で、
コーヒーブレイクを兼ね、正成ゆかりの金剛山の新緑を遠景に、
親子の釣り人を手前に置いたアングルで数枚撮らしてもらう。
かっての正成親子もこうして山魚を捕っていたかもしれない。
その後、あらためて千早川沿いに県道207号を下り、
千早小学校の看板の近くの駐車場に車を止め、
今回の最後の撮影場所となった千早赤坂の棚田の撮影に行く。
駐車場からは、小学校に向かって丘の坂道を上り、
小学校を越えて丘の稜線上に出ると、
反対側の谷全体が棚田である。
丘の頂上には史跡「千早城跡」もある。
かって、楠正成一族が住んでいた頃は、
この谷一体で食糧生産をしていたのだろうか。
この千早赤阪の棚田も日本の棚田百選に登録されている。
農水省の定義によれば、傾斜度が20分のⅠ
(水平距離20m進んで1m高くなる傾斜)
以上の水田を棚田と定義している。
認定された棚田には、助成金が交付される。
ちなみに日本の全水田面積の約8%、約22万ヘクタールが棚田である。
さらに、農水省は、農業収入や兼業のみでは棚田の維持が難しいと考え、
観光地化を目的とした「日本の棚田百選」を選定した。
1999年7月16日に発表された百選には、
全国117市・134地区の棚田が選ばれている。
ちなみに1993年の統計で、棚田の約15%が既に荒廃してしまった。
千早赤坂の棚田は、左右を丘陵に囲まれるように奇麗に棚田が整備されていて、
稜線上を散策しながらパノラマ的に眺めることができる。
水の張った時期に来れば、
水面に映える夕陽と畦道の幾何学模様の陰のコントラストで
幻想的な写真が撮れることだろう。
今回は、田ごしらえ前で、まだ水が張っていなかったので、
想像力を働かせて写真を見て欲しい^^。
このように今回は帰る途中に、
楠木正成のゆかりの地を駆け足で抜けただけだが、
最後に千早城趾と小学校がある棚田を訪れて、
あらためて歴史とともに生きることの意義を感じた。
千早小学校では、千早城趾及び棚田への道が
そのまま小学校の登校路になっていることもあり、
学校そのものが明るく開放的に感じる。
きっと、子供達も、すれ違う我々よそ者にも
気持ちよく挨拶してくれるに違いないと思わせてくれる。
一方、都会では、挨拶はおろか、
学校自体が門を閉鎖しなければならないほどで、
暗い閉鎖的雰囲気となっている。
千早赤坂では、すぐ下の体育館から聞こえてくる
子供達のバレーを練習中の明るく元気な声を聞きながら、
清々しい気持ちで棚田を散策できた。
生まれたときから楠木正成などと身近につながって生きることにより、
心に大きな成長の基礎となる根っこが育まれているのではないだろうか。
植物が地上大きく育つには、
まず、見えないところで地下に大きな根っこを張るように。
人も深層心理の奥で、
自分を育んできた歴史に根を張って生きないと、
根無し草のように、精神的にも不安定で、
肝心の人間性が成長しないのかも知れない。
千早赤坂の棚田が特に活き活きと輝いて見えるのは、
その歴史を貫いて積み重ねられ育まれた
高い人間的な波動の場のせいかもしれない。
人は、歴史とともに繋がって、はじめて心も成長する。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
メルマガ:心のビタミン(エッセー) http://www.emaga.com/info/heart21.html
北海道の四季(写真) http://groups.msn.com/jjt8khvnlvgq2ipf5spd2vq9r4
北海道の四季(写真)パート2 http://groups.msn.com/hearthul2006
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇






