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2007年 5/12 早春の佐奈川…そして悠人へ遺す言葉(その二)

その夢とは、死に際して、
三男悠人に父の最期の思いを言づけするシーンである。

寝る前に、悠人との親子大会の写真などを整理したので
このような夢を見たのだろう。


場所は、郷里の一本松中学校の正門を入った中庭である。
夢の中で、死に場所としてなぜここが選ばれたのか…
まずそれを説明しなければならないだろう。

「大人とは子供の心に大人の体を纏ったもの」と言われる。
自らそれがわかった夢でもあったからだ。


母校の中学校の上には、町の鎮護の社、一本松大社がある。
中学の正門を入ると、
右手にこの神社を見上げながら
教室やグランドに入るようになっている。

実は、一学年下に、この神社の神主さんの娘さんである狩野五十鈴さんがいた。
スラッとした理知的で心優しい長い黒髪の美しい人だった。

私が中2の時に、
愛媛県南予地区の陸上新人戦に中学から男子4名、女子2名が選ばれ、
その中に私と五十鈴さんも入っていた。

そして、町から約50キロ北の宇和島市の同じ旅館に皆で一泊し、
大会に参加した。

その時から密かに思いを抱いた。
田舎の少年のいわゆる初恋である。

それ故口に出すこともできず卒業したが、
彼女への思いは決して忘れることはなく、
生涯二度手紙を出した。

一度目は、中学卒業後、横須賀の少年工科学校に入った時で、
望郷の念もあったことから「文通して欲しい」と初めて手紙を書いた。

が、返事はなかった。

二度目は防大4年の時。
1年生の時の寮の部屋長の出川さんの結婚式に出たときに、
出川さんと彼女とのなりそめのエピソードを聞いてからだ。

それは、中学校時代の同じ卓球部の彼女を密かに思い続けて、
大学卒業後思い切って手紙を出し、
それがきっかけで結婚につながったという素敵な話だ。

私も刺激されて改めて手紙で彼女に思いを伝えた。
だが、無念、返事はなく、諦めた…。

その間、盆・正月の休暇の帰省の度に、
「運動してくる」と約2kmの通学路を駈け足で中学校のグランドに行ったものだ。
ひょっとして逢えないかな・・と^^;

彼女を最期に見たのは、
17年前、他界した父を看取っていただいた地元の一本松病院で、
元気に薬剤師として働いている姿を、
遠くから窓越しに眺めた時である。

その暫く後、彼女が男の子3人を残して自殺したと聞いた・・・・。


こういう体験、魂の遍歴が、
夢の中で自分の最後の地として、
この中学校の中庭を選んだわけだ。

夢のことなので今となっては誰と一緒にいたか忘れたが、
この中庭を数人と並んで歩いているときに、
急に周辺の景色が黄金色に見え始め、
直観で自分の死を自覚した。

そして、最後に三男悠人にしっかり伝えなければならないと思い、
横たわりながら遺言を頼んだ。

妻と長男、次男はもう大人なので言わなくてもわかっている。
長女真菜はまだ子供で言ってもわからず、
その分逆に父が亡くなってもやがて忘れて元気に生きれる。

小六の悠人には、是非父の思いを伝えなくてはならないと、
とっさに頭に浮かんだのである。


「悠人へ。
お父さんは今から肉体上はいなくなるけど、
これは決してお父さんが死んでいなくなるわけじゃないよ。

人は肉体という船に乗っている霊体(たましい)という旅人だよ。

旅の目的、つまり今生での目的を達成したら全ての人は船を下りて、
次の旅に進むんだよ。

ただ、船に乗ってる普通の人、悠人には見えなくなるだけだよ。

悠人も含めて全ての人が、
肉体という物理的な制約の中で、
その制約を一生懸命克服しながら、
いろんなことを達成しようと努力することにより、
魂という乗船者、つまり心を成長させているんだよ。

お父さんの肉体という船はもう十分に役割を果たしてくれたので自然に帰して、
お父さんは船を下りるだけだよ。

単なる船である亡骸は分子に分解して自然に還って、
またいろんなものの材料に役立つだけだよ。

だから亡骸の前でいつまでも泣き哀しんでも無意味だよ。
そこにお父さんはいないよ。

悠人がお父さんの亡骸を見る頃には、
お父さんは今生の目的を達成したおおきな充実感と満足感の喜びに溢れて
次のステップを歩んでいるよ。

その満足感の大きな一つが、
悠人がお父さんを父親として選んで生まれてきてくれて、
一緒に野球をやったこと。

そして、これから悠人が素晴らしい人間に成長するであろうと、
確信を持ちながら船を下りれた事だよ。

まだ悠人には見えないかもしれないけど、
今もお父さんは悠人の傍に同じ姿で立ってるよ。

心だけになったから思った瞬間に光のようになってどこへでもいけるんだ。
悠人が、心でお父さんを思い出す時には、
悠人の心の中にいるよ。

だから哀しまなくていいよ。

もし、これからつらいことや寂しいことがあってお父さんに逢いたいときは、
心でお父さんを呼んでごらん。

思い出した時には、もうお父さんは悠人の心の中に来ていて、
思い出として悠人に話しかけているよ。

あるいは、ちょっとしたいたずら心で、
悠人の周りで風のように飛んで雲を動かしたり、
林の枝を揺すったり、
さざ波で悠人に知らせようとするかもしれないよ。

その時お父さんを思い出したら、
そこにお父さんがいるんだとわかってね。

悠人とこれからもいつも一緒だよ。
悠人の成長を応援しているよ。

そして、いつか、悠人が成長し、
悠人自身の人生の目的を達成して、
直接お父さんを見て話せる時になるのを楽しみに待ってるよ。

日々、明るく、楽しく、元気よく生きて欲しい。
好きな野球を一生懸命やりなさい。

お父さんも雲のように漂いながら楽しくいつも応援してるよ。」


そう言いながら、自分自身が亡き母を思った時は、
母が自分の心に来てくれていたんだと直観で理解した。

そして、看取ってくれた人に
「今の言葉を悠人にお伝え下さい。ありがとう」と言いながら
肉体を離れ光の源に旅立った。


思えば、夢の中で自分の最期の地として一本松中学校の中庭を選んだのは、
心の中でいつまでも残る狩野五十鈴さんへの思慕である。

人は皆こうして特別な人への思いを魂に刻んで生きていくのだろう。

皆さんは、如何だろうか・・・・

このようなリアルな夢を思い出しながら、
「大人とは子供の心に大人の体を纏ったもの」
という言葉を実感した。


【様々な二度とない今生の体験を心に刻んで人は魂を成長させ、
     やがてこの世から旅立つ…。悔い無き人生を送ろう。】


こういう思いを浮かべさせてくれた
早春の佐奈川の可憐な名も知らぬ小さな花達に、
感謝を込めて写真をアルバムに出しました。ご笑覧下さい。

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