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2007年 3/10 冬の渥美半島伊良湖岬…時代(とき)を超える誓い…(その二)

蔵王山を下りると次に三河湾沿いの県道2号を走り
馬草港の脇の小さな岬にある秋葉神社に行く。

あらかじめ地図を眺めていたときに赤羽根の真北で
三河湾に抜ける小さな岬にあるこの神社を見つけ出して是非行ってみたかったのだ。

港も神社も無人で小屋風の小さな神社の裏手に回ると古い石の台座の上に
ご神体である小さな祠が祭られてあった。
思わず、赤羽根との位置関係から空港の航空機の進入灯を連想してしまった。

神社から人気のない馬草港に戻ると海辺の片隅に珍しい形の広葉樹が1本、
港を見守るように立っているのに気がついた。

枯れ木のようになった小枝が全て東向きなのだ。
列島の脊梁山脈は琵琶湖で切れており、
この低いところが大陸からの風の回廊となって伊勢湾方向に抜ける。

そして東西に横たわる渥美半島にぶつかり年間を通じかなりの西風となる。
渥美半島が西向きに風力発電に最適であることをこの木立が教えてくれている。

暖冬とはいえ、3時を回ると北側の海岸線は日陰で海風も冷たい。
すぐにでも日が落ちそうな感じで、
思わずもっと早く出発すればよかったと反省しながらいよいよ念願の赤羽根に向かう。

渥美半島は、三河湾沿いには国道259号、
太平洋側には国道42号がそれぞれ伊良湖岬まで走って交わっている。
但し、国道259号、いわゆる田原街道は馬草で海岸から来る県道2号に
交わるまでは田原市街地など内陸部を通っている。

三河湾側の馬草から太平洋側の赤羽根に出るには、
先ず国道42号を少し南南東に逆走したのち県道416号=赤羽根野田線で
南に半島を縦断する。

内陸部に入ると目につくのが農家の立派なビニールハウスだ。
気候、風土が農業に最適で電照菊やメロンなど
近郊農業のメッカとして盛んな田原市は、
一自治体としては農業生産額が日本一であり、
豊橋市もそれに次ぐレベルなのである。

赤羽根の砂浜は、
渥美太平洋ロングビーチと名付けられ
サーフィンのメッカである。

広々とした砂浜の左手奥の方は、
一色の磯の岩礁群があり、
まず岩礁に砕ける波を撮影。

その後、右を見渡せば暖冬とはいえ真冬の砂浜でまばらだが
サーファーが波乗りを行っており、
波打ち際を西に歩きながら望遠で撮影する。

太平洋側にくるとまだまだ陽が高く明るく感じられ小春日和の陽射しが気持ちいい。
僅か6キロ離れただけで北側の三河湾と南側の太平洋側の気候の違いに驚く。

あいにく海が凪いでいて良い波が少なくサーファーもじっと待っているが、
それを狙う私もじっと待つしかない。

実は、この位置でカメラを構えるのは私にとって2度目である。

昨年の暮れ、本部の忘年慰労会を官舎で行うため妻を呼んだ。
単身赴任者が多いので妻に手料理を作ってもらうためだ。

今回は、高2の次男聖人が12月30日まで野球部の合宿で伊豆に行ってるため、
三男小六悠人と長女小3真菜が一緒に来て、三日間一緒に暮らせた。

29日、鳳来寺山の散策に連れて行った後、
伊良湖の夕陽を見せようと(…本当は自分が見たかった!?^^;)
4時頃豊川を出発した。

しかし時間の見積もりが甘く途中で落日、
仕方なく暗くなりかけた頃にこの砂浜まで来て黄昏の海岸線を見せた。

おりからの強風で妻は一切車から下りなかったが、
子供達は波打ち際まで広い砂浜を一目散に駈けて行き波と戯れた。

そのうち靴が濡れてきたので「裸足になっていいよ!」と
声かけると膝上までズボンを上げて、
冬の寒風荒ぶ中すっかり暗くなった海に入って
波の満ち引きにあわせて遊んだ。

私も無邪気に遊ぶ子供達を久し振りにストロボ撮影で楽しく撮った。
埼玉のマンションの真菜の机の上には
その時拾った白い貝が今も思い出として残っている。

あの時の子供達の姿を思い出しながら
同じ位置同じ角度でサーファーをレンズで追っていると、
あの時の子供達の面影とサーファーの姿が重なってくる。

特に寄せては引く波を懐かしそうに見ていた悠人の姿を思い出すと、
悠人自身がかってこの同じ砂浜で波と戯れた記憶が
無意識で甦っていたのではないだろうか…と感じた。


なかなか良い波が来なく、
かろうじて波に乗ったサーファーを
順光と逆光で一枚づつ撮って車で待つ信田さんのほうに引き返す。

本当は、真っ赤な逆光の中の大きなシルエットの躍動感溢れるサーファーを
撮りたかったのだが、これは次回の課題にしよう。

帰る途中でややピンクがかった白い貝を拾う。
これは、次回埼玉に帰るときの真菜への土産としよう。


陽もかなり傾き、いよいよ太平洋側の国道42号線沿いに伊良湖岬に向かう。
途中、岬から5キロほど手前の堀切の菜の花畑に寄る。

あたり一面もう既に満開だ。
実は、今回は、写真コンテストの「冬の季節」の題材を求めて撮りに来たのだ。
暦は確かに真冬だが、菜の花は果たして冬の題材になるのだろうか……??

畑の中に大きなソテツの木が植えられていてコントラストにいい。
黄色い絨毯のような菜の花畑で「大きなソテツを眺めるカップル」の
構図となるまで望遠でじっと構えてその瞬間を待つ。

観光客が多いが、フィンダーの中で左手前にソテツを置き、
右奥に狙っていたカップルだけが一瞬残り、ワンチャンスでシャッターを押す。


そしていよいよ目的の一つの恋路ヶ浜の入り口にあたる
「日出(ひい)の石門」に到着。

山側の駐車場に止め、
道路を渡り海岸への石段の降り口にある「椰子の実」の詩碑まで来て
沖を行く漁船などを撮っていると、
なにやら崖の下から白い煙が上がっている。

誰かたき火でもしているのかな?と思っていたら
消防車のサイレンの音が大きくなって石門入り口で止まる。

なんとタバコの投げ捨てと思われる山火事に遭遇したのだ!!

思わず「珍しい消火活動が撮れる!!」。

崖の8合目辺りで野火となっていて消防士も降りれない。
しかし、幸いぼや程度なので崖の上から圧力を抑えた二本のホースで
小便小僧のごとく放水して無事鎮火。

まあ、迫力ある消火活動は撮れなかったがこれだけは喜ばなければならない。

ちなみにこの椰子の詩碑は、
民俗学者柳田國男がそこで拾った椰子の実の話を、
親友の島崎藤村に伝えたことから
有名な「名も知らぬ~遠き島より~流れ寄る椰子の実一つ」の歌となり、
その記念にここに建てられている。

黒潮海流に乗って遙か南方の石垣島辺りからやってきた椰子の実の
南国情緒豊かな地にも、人心悪化の兆候を見て、
かの藤村もきっと嘆いているに違いない。

消火活動を横目に、石段を海岸まで降りて、日出の石門の撮影に行く。

大きな岩が波の力によって真ん中に大きな穴が開けられたもので、
年二回のチャンスでこの穴を通して太平洋の水平線から登る朝陽が撮れる。

まるで春分だけに真東から太陽が昇るように
天文学的に計算されて配置されたピラミッドなどと同じだと思いつつ、
「そのたった年二度のシャッターチャンスを得るために
何日前から位置取りするのかな?」と想像する。

石門を見るまでは是非自分も撮りたいと思っていたが、
実際に来てみると、
そのポイントにわざとらしく腰掛けるような小岩が置いてあって、
わざわざそれだけの撮影に来るのは馬鹿らしく思うようになった。

自然との会話を楽しむ本来の撮影ではない…。
でも今回は折角の機会なので300ミリズーム望遠レンズを
最大にして穴を通して太平洋を横切る船を撮る。





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