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2006年 8/10 北富士演習場夏の花…その2

翌15日、日曜日。本部管理中隊、第2中隊、第4中隊、対戦車中隊に編成された
連隊主力は、朝4時に豊川を出発、昼前には北富士に到着。

ただちに二個グループに分け、集結地準備と実機を使っての
へりボーン予行訓練を交代で行う。

前段の訓練グループの確認に滑走路地区に入ったところでちょうど携帯に
メールが入る。

「5回終わって3-1で勝っている。小幡が3ベース^^。
聖人はスクイズバント成功!」

聖人の武南高校の初戦、2回戦が行われているのだ。続いて、
「まだヒット2本、相手は6本。大苦戦です」

遠く東の空を見て必勝を祈るのみ…。

今回は、前日全員に、へり2機を使ってへりボーン攻撃の予行訓練を行えた。
殆どのものが初体験と思われるが、
これまで創隊以来積み重ねた訓練成果か難なく行動できる。

考えてみれば、
年30日間本当に自分の特技の戦闘訓練だけを行っているのだから、
他の業務が入らない分集中できて技能は高くなる。

それに休みを返上して家族孝行などを犠牲にしてまで訓練に参加するのだから
意識もかなり高い。
中には、夜勤明けからそのまま訓練参加されている人もいる。
改めて即応予備自衛官を尊敬した。

最後の小隊と一緒にへりボーン予行訓練をともにして、
「これで行ける」と確信しつつテントに帰ったところで妻から再度メールが入る。

「勝った!6-2」

その夜は、前方集結地での戦闘準備。
各小隊等毎に歩哨を立て、警戒を厳重にしつつ
テントで仮眠。集結地を一周したが、
どこでも「止まれ!」「誰か!」と呼び止められ、警戒心旺盛な事を確認。

翌朝3時起床。
整斉とテント等を撤収し、行動開始。
生憎の霧雨でへりが飛べないが、
代わりの大型車両による機動で予定通り敵陣地の後方地域を攻撃。
地歩を占領したところで状況終了。

普通なら、北富士の宿営地(集結地)に一度戻って、
一泊して操縦手などを休養させて帰隊するのであるが、
訓練期間が限られている即応予備自衛官は、
そのまま攻撃目標地域から大型車に乗り込み、
豊川駐屯地に帰隊する。

ここで一泊して演習後の整備を行って翌日それぞれの出頭駐屯地に帰る。
この際、各中隊の常備自衛官は、彼らをそれぞれの出頭駐屯地に送り届けて、
豊川に帰隊して漸く訓練終了となる。

考えてみれば、
彼らが実際に防衛招集や災害派遣で招集された時なども
今回と同じような行動パターンとなるのでいい体験となった。

彼らを見送った後に、北富士演習場の宿営地跡に行ったが、
歩哨壕の穴などもキチンと元通りに埋められ綺麗に自然に還っていた。
改めて我が隊員ながら素晴らしいと思った。

その日は、来た時と同じで10名に満たない本部要員だけに還り、
深々とする大草原の中で、
うぐいす、カッコウの声などを聞きながら大自然を満喫することができた。

よく見ると、一般の方が結構演習場に入り、
なにやら野花を勝手に持って帰っているようだ。

そういえば、準備室長の時、わざわざ山形の染織家の安久津さんが、
根が独特の青の染色材料になる野草が、
今はこの北富士にしかないと言うことで訪ねて来られた。

現地で確認してみると、
我々にとってススキの中の雑草の一つで
テントを張るときなどは刈り取っているものである。

快諾すると数株根もとから大事そうに持って帰られた。

数年後、安久津さんから淡い青色に染めた着物の絵はがきで、
「あの時の数株が見事に蘇りました」とお礼の言葉を頂いた。

安久津さんの熱い思いの結晶である。





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