2006年 1/22 キャプテン頑張るよ!
平成17年の暮れも押し詰まった12月25日から三日間、
東富士演習場に対戦車誘導弾の射撃野営に行く。
12月5日に連隊長着任後、初めての連隊野営でもある。
前日のクリスマスイブの夜、埼玉の妻から「メリークリスマス!」と
携帯メールで美味しそうな手作りケーキの写真が送られてきた。
真ん中にたてられたロウソクの灯が星のように輝いていた。
小5になった悠人の今年のサンタさんからのプレゼントは
前々から欲しがっていた任天堂のDSというゲーム機。
まわりの友達が持っており「仕方ない」との親の苦渋!?の判断でもある。
さて、12月末の富士の裾野は富士山方向から冷たい北風が吹き下ろし、
寒さとの戦いでもあるとともに枯れススキから野火が発生しやすく、
できるだけ避けたい時期でもある。
が、演習場を持たない中部地方の10師団の宿命で、
この時期しか演習場も空いてないのだろうとハラを括っての訓練である。
折角の機会なので広報写真を兼ねて、誘導弾の発射の瞬間と
赤富士をカメラに納めようとして、連写を含み20枚ほど撮ったが
弾の写ったのは2枚だけ。その難しさを認識した。
赤富士も富士の雪不足でまだ完全に冠雪してなく朝陽が綺麗に映えなかった。
又、出発前のクリスマスイブに、駐屯地横の桜並木のイルミネーションの写真を
撮ったが、こちらも露光時間が長すぎて失敗。
雪祭りの雪像の夜景撮影の経験があるので自信はあったのだが、
対象、条件が違えば撮り方も違うと言うことを改めて認識できた。
白の反対は?と問われれば黒と答える。
では、成功の反対は?と問われると何と答えるであろうか?
多分、素直に思いつくのは失敗であろう。
しかし、成功は失敗の積み重ねで成就する。
天才は、エジソンの電灯発明のように、失敗を諦めないで成功するまで行った人。
失敗は成功の元である。成功の反対は、「何もやらない」こと。
今回の失敗を次の撮影に活かそう。
さて、富士についた25日の夜、妻から「悠人クリスマスプレゼントの
DS(1万4千円)ひったくられちゃった!
小6か中1ぐらいの男の子らしい。勿論警察に届けたけど…」!?
何という時代になったものだ…。
悠人は自転車で逃げる子を必死で追いかけたが逃げられ、
妻も仕事で家にいなかった為、一人で警察署に被害届けに行き、
現場検証も一人で立ち会ったらしい。
怒りが込み上げて来るとともにかっぱらった子供の家庭環境の情けなさなど
思わざるを得ない。
次男聖人は「とんでもない奴だ!見つけたらぶったたいてやる!」
と怒りをもろに露わにしたらしい。
ところが翌26日昼過ぎ妻からのメール。
「英人(長男大3)が…ゆうとがかわいそうだからと、DS買ってくれちゃったよ!。
なんでもドンキー最後の在庫だとか…。今食事して高速乗ります。夜になっちゃうね」
妻に「いい兄だね、気を付けてね」と返事を送るとともに
長男に「悠人にありがとう!…今、富士で対戦車誘導弾射撃中に着弾地大火災発生!
全力で消して、今パック飯食べて一休み^^。寒いけど富士が綺麗!」
英人から「いいえ~。悠人がかわいそうだったもんで。
示野のおじいちゃん、おばあちゃんによろしく」。長男らしい優しさである。
その日の夕、妻に再度メール「こちら今年の連隊訓練無事終了!
明日は連隊本部要員のご苦労さん忘年会、13名、よろしくお願い致します^^。
運転気を付けてゆっくりきてね」。
夕方遅く、携帯に妻から「無事官舎に着いた」というメールが入る。
富士野営から帰る27日の夜、連隊本部の忘年会を我が官舎で行うため、
妻が仕事で使っている鍋等を持って車で埼玉から悠人と真菜を連れてやって来たのだ。
28日から年末年始休暇が始まる。石川や三重など中部地方各地から
殆ど単身赴任で豊川に来ているので28日の終礼が終わればなるべく早く
皆家族の元に帰りたいだろうと、演習から帰るその日に設定、
妻の得意の料理で日頃の慰労を行う為だ。
忘年会には、家族を同伴してる科長等は、奥様方だけなくお子様も来て頂き、
楽しい一時を持つことができた。
改めて約20人分の美味しい料理とデザートのケーキまで手際よく作ってくれた妻に感謝。
結婚26年・・そう言えば銀婚式のプレゼントも何もしてないなあ…。
翌、28日、4人で愛媛の実家に帰省する。
高1になった次男聖人の野球部の伊豆合宿間に
実家に官舎で使うための炬燵などを取りに行くためだ。
久し振りの車での移動は、いい家族団欒の場ともなる。
小2の長女真菜は九九の暗記が冬休みの課題。
小5の悠人と私が問題を出したり時間を計ったり久し振りの楽しい旅であった。
実家に着くと、あれほど「おばあちゃんの家に行きたい」と言っていた二人が、
着いた途端に「お化け屋敷みたいで怖い」^^;。
3年前に母が他界して以来誰も住んでいないので子供ながらその差を敏感に
感じるのであろう。
後で知ったことだが、父亡き後母に飼われて母より先に亡くなった
名犬「さき」の墓に、帰省途中で拾った貝殻を二人は並べて冥福を祈って来たらしい。
母と妻の生母の墓参りしか念頭になかった私たちだが、
我が子ながら子供二人のその優しさに親として嬉しかった。
帰路、豊川の官舎で大晦日の夜を過ごした後、
元旦には埼玉のマンションに帰ってきたが、
この短い家族6人中4人のミニ家族旅行で誰よりもいい目を見たのは、
我家の新家族、生後10ヶ月のミニチュアダックスフンドの「ハッピー」であろう。
マンションでは柵で玄関付近に行動範囲を制限されているが、
この旅行間は全くのバリアフリー。寝るときも子供達と一緒。
至福の一週間であったに違いない。
今回、下二人の子供と川の字で寝るハッピーの写真も撮ってみた。
さて、この休暇間、久し振りに三男悠人とトレーニングを行い、
その成長ぶりを確認できた。
先ず、27日久し振りに官舎で会ったとき、すぐに「野球ノート」を持ってきた。
確か北海道の単身赴任から帰って来たときに大学ノートの表に
野球ノートと題字を書いて次男と三男に渡していたのだが、
一緒に住んだ2年10ヶ月間、使った形跡はなかった。
ところが再度単身赴任になって以降、トレーニングメニューを表にして
日々自分でチェックしていたのだ。
埼玉のマンションに着いたら早速「お父さんキャッチボールしよう!」
という事で、5階の広場で球を受けたが、
球速が増して「シュー」と風を切る音がする。
普通のグローブで受けていると低めに来た球を捕るときにグローブを
上向きか下向きに取るか迷ううちにぐっと伸びて思わず「いて!」^^。
小学生は直球しか使えないが、スライダーと私直伝のパームボールも投げさせて
5人三振するまで投げる。
練習はウソつかない、実感する。
9日豊川に帰る日、悠人との親子関係を深めるいい体験があった。
悠人の冬休みの宿題を見ていって欲しいという妻の要望で、
「午前中に宿題を確認して、最後30球5階でピッチングを受けた後に
昼ご飯を食べて出発するよ」と前日に言っておいた。
「宿題は大丈夫」と休みの間本人が言っていたので、
答え合わせは1時間もかかるまいと思っていたが…国語の1ページ目を見た瞬間に「う!?」。
算数も計算間違いが多い…^^;。
そこで、漢字はできていないところを全て自分で辞書を調べさせて直させ、
算数も自分でできるまでやり直させた。
昼になっても終わらない。妻がうどんを作ってくれたが、
「終わったら食べる」と宣言。
流石に悔しくもあるのか、目から涙。
すかさず「悔しかったらいくらでも泣いていい。
しかし鉛筆だけは止めるな。泣きながら前に進め!」
結局宿題の全てが正解になったのが午後1時半。
それから一緒に伸びたうどんを食べて約束通り5階で30球を受けて
豊川の官舎に帰ってきた。
15日、日曜日夕、単身先の官舎で今日は悠人の里緑ヶ丘パワーズの
6年生の卒団を祝う親子試合があった日だなと思っていると、
普段用事がある時しか電話を掛けてこない妻から珍しく電話が来る。
「松本監督から、来年悠人キャプテンどうかって電話が来たよ。
悠人はやる気だけど…」
今年の春からは次男の聖人も武南高校で2年となり試合も本格的になる。
父兄会の役員をしているので週末の応援・支援が重なる。
それに悠人のチームには左投手でオール鳩ヶ谷のエース格の広橋君がいて、
昨年秋はオールで主将をしていた。
お母さんも常に松本監督の横にベンチ入りしスコアーブックをつけており、
お父さんも週末の支援をしている。
妻は、当然広橋君がキャプテンになるものだと多寡をくくっていたのだ…。
実は、3年前に北海道の単身赴任から帰ってきて毎晩トレーニングを
約束したときに、悠人に紙2枚に目標などを書かせて勉強机の頭の上に貼らせていた。
一枚は目標で悠人は「6年でキャプテンになる」「プロ野球で一流の投手になる」と
当面と将来の二つの目標を書いていた。
その紙の横にもう一枚、毎晩のトレーニングメニューを同じく悠人に書かせて貼っている。
その事を思い出しながら妻に、
「野球をやるのは子供。親はできる範囲で支援・応援すればいいんじゃないかな。
僕がこちらに来て単身赴任していることはどちらのチームの人も知ってるんだから…」
妻も「そうね。高校は小幡さんに代って貰ってもう少しいかなくてもいい役に
してもらおうかな…」と半ば覚悟を決めながら電話を切る。
直後、携帯メールを妻に送る。こういう場合、
目に見える文字の方が効果を発揮する。
「言霊…悠人の机の上じっくり視てごらん!!^^
悠人のアファメーション♪次は一流のプロの投手!!」
やがて、妻から携帯メールが届いた…
「キャプテン頑張るよ♪^^」
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