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感謝そして・・儚き命の詩

【感謝そして・・儚き命の詩】

私そして妻の誕生祝いにたくさんの方々から
心温まるメッセージを頂きました。

ありがとうございます^^
深く感謝申し上げます。

さて、MARTHからは素敵な絵の
メッセージカードを頂きました。

「本質に向かう戦士は美しい
 ますます向かえ、愛の戦士」
   MARTH

背景の絵は、「遥かなるシリーズ 全15 話」の一つの
「儚き命の詩」で使われている絵のひとつです。

29歳の若さで未知へと帰還したMARTH の最愛のパートナーは、保母さんでした。
彼女の願いは
「競争、勝ち負けの無い、世界中のこどもたちに愛と勇気で生きてほしい」
というものでした。

自らにも分離の哀しみや、傷みがあると涙していた彼女の誠実な想いと共に、
今こそ、このメッセージが重要だと感じ、30年の時を経てMARTHがプロデュースし、
出版したものです。

分離の滅びの道から永久の愛の世界へ・・
そのための絵本とDVDです。

今回、「儚き命の詩」をお送りします。

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儚き命の詩 ~愛しき生命の詩より~
原作:のいのい

静かな森の中...その静けさは奥深くまで続いている。
一見薄暗く不気味に見えるその森は、すべてをのみ込むような静寂さが漂い、
人間はあまり近づかなかった。
それが幸いしてか、茂みの中には様々な生き物がひそやかに暮らしていた。

烏のさえずり、小川のせせらぎ、季節を彩る花々...
それらは皆それぞれらしくその美しさを現していた。

木々の合間から差し込む木漏れ日は、そんな生きもの達をあたたかく
細やかながらに見守り...まるで新しい命を大地に吹き込んでいるかのように見えた。

そんな中、-人の老人が森の奥深くにひっそりと誰とも関わることなく暮らしていた。
木の実や草を食べ、時には魚も取った。

老人は必要以上に森の生きもの達を怖がらせることもしなければ、
あやしなつかせることもしなかった。
そして他の動物達もまた、必要以上に老人を脅かすこともしなければ
飼われることもなかった。

互いに互いのふるさとに責め込む気もなく、その日の最低線の食べ物の分だけでよかった。
それが自然なことだった。
食べた罪悪感もなければ、食べられた恨みも残らない...
互いに命を捧げあい共生しあっていた。


ある日のこと突然遠くの空から風に乗って銃声が聞こえた。
老人はため息混じりにつぶやいた。
「またか・・・」と。それから何日も銃声は鳴り続いた。
朝も夜も休む間もなく...。

このあたりには2つの大きな国があった。
昔は互いに充分な畑があり、毎年豊作で自然界の恵みに囲まれ、充分に満たされていた。
しかし互いに自国の満足だけでは足りず『もっともっと』と欲しがった。

ほんの些細ないざこざから二つの国は互いにいがみ合い、闘いが始まった。
刺激を欲しがる一部の人々はみな兵士へと志願した。
些細ないざこざは、やがてどちらからともなく大きな闘いを生んだ。
誰が後ろにいるかもわからぬまま...
青々としていた大地はやがてやせ細り枯れ果てた。
男手や働き手はみんな闘いに必要になり、大地を耕す者はいなくなった。

不作続きに国は貧しさが増したが、それが身から出たサビだということには誰も触れず、
哀しきかな、それらは憎しみや怒りとなって闘いへと費やされた。
もはやどうにも止めることはできず、ただただ流されるがままに闘いぬくしかなかった。

やられる前にやればと...誰もそれに疑いは持たなかった。
やるからやられるなど...強ければ強い程敵が増えることなど...気づく余裕もなかった。
それよりも、より強力な武器を持つことやより多くの兵士を集めることで精一杯だった。
もはや互いに国は荒れ、相手から奪うものなど何もないというのに・・・ただ闘いは続いた。

その夜、老人は久しぶりに夢にうなされた。
寝汗をかき目が覚めた。あたりは真っ暗...うっすらと月明かりに木の黒影が揺れていた。
夜だというのに銃声が聞こえる...。
...そんな中...老人は遠い昔を思い出していた。
今も尚はっきりと脳裏に焼きつくあの光景を・・・。

老人の剣はむやみにたくさんの人の命を奪った。
老人は英雄だった。皆がほめたたえ有名になり様々な勲章が胸に光っていた。
誰もがうらやみ誰もが尊敬し敬意を払った。
しかしある日老人は忽然とその姿を消したのだった。

遠い昔...黄金色に光る麦畑を老人はかけ回る少年だった。
青く澄みわたる空をどこまでも、どこまでも追いかけて...。
日に焼けた黒い肌は少年の真っ白い歯を浮き立たせ
その笑顔をいっそう輝かせた。無邪気な少年だった。

少年には友逹がいた。
ちょっと頼りない色白の男の子だった。少年より2つくらい年下の男の子で、
街ではあまり見かけたことのない子だった。
どこに住んでいるのかも、また、どんな名前なのかも知らなかった。
しかし少年にとってそんなことはどうでもよかった。

二人は気があった。少年はその男の子が大好きだった。
気の優しい子で虫すら殺せぬ子だった。そのためかよくいじめられていた。
少年はそんな男の子をいつもかばい大切にした。男の子も又少年が大好きだった。
いじめられても、いじめられても少年に会いに来た。
二人は虫を取ったり川で泳いだり...木の上でお昼寝したり...大の仲良しだった。

しかしそれはあまり長くは続かなかった。
やがて闘いが始まった。訳もわからぬまま街中の男達は
城へ集まり兵士となり、後に残された女、子どもは大地を耕した。
子どもながらにこれから起こる得体の知れぬまぬがれえぬ恐怖に二人は考えた。
互いに一番大事にしている物を交換しあい、それをお守りにしようと...。
『どこにいても僕らは友達だ!』と誓いあって。

少年は母が自分の服を破いて作ってくれたくすんだ赤い色の小袋を、
男の子もまた肌身離さず持っていた古くて小さくて汚れていて
元の色もわからなくなったような特種な模様の入った小袋を差し出した...。

そしてそれから二人は互いにその袋にどんぐりの実を入れ、
それぞれを相手に渡しあった。
『いつかまたここで会おう』と。
そしてそれを最後に双方の闘いは激しさを増し、やがて
少年は遊ぶ暇がなくなり、男の子もまたそれ以来姿を現さなくなってしまった。

闘いは人の心をゆがめ国中が殺伐とした。
会ったこともない相手の国を敵国とよび恨み闘い、働き手は皆戦士として駆り出された。
その裏に誰がいようなどとも、誰も気にしてなどいない...。闘いは何年も続いた。

やがて少年も青年となり闘いに行くことになった。
青年は体格もよく力も強く、すぐに勲章をいくつももらった。
あっという間に国の英雄となり、王様にもかわいがられた。
青年はいつもあの男の子からのお守りを胸に闘った。
いつの日かきっとあの頃のように、麦畑の中をあの子と走ることを夢見て...。
早く闘いが終われば、あの日は帰ってくると...
青年は信じていた。
青年はどんどんどんどん闘った。向かう所敵なしだった。
皆はもてはやし青年の胸には様々な勲章が輝いた。
剣の達人と呼ばれた。しかし青年にとってはどうでもいいことだった。
ただがむしゃらに闘った・・・。
早くあの頃を取り戻したくて・・・。

そしてそれはある激しい闘いの日に起こった。
何週間にもおよび戦闘は繰り返された。
そしてそののち青年の率いる軍は、勝利の旗を掲げることになった。
来る者来る者に次から次へといつものように剣をふるった。
青年はその勇ましさに祝福され、胴上げされた。
皆が大空に向かい勝利の歓声を揚げた。
そして誰もが胸を張り祖国に帰ろうと馬に乗った。

その時だ!
青年の目に赤い小さな小袋が飛び込んだ。

そのひもを握りしめているのは敵国の服を着た一人の若い男だった。
青年は皆を先に送り出すと一人すぐさま馬から飛び降り、
駆け寄り抱きかかえ揺さぶった...が...
倒れていた若い男は泥まみれのまま既に息は絶えていた。
青年は泥をふきその顔をながめたその兵士は...。
「.........」
青年は全身が震え出した。
その顔には確かにあのころの面影が...。

「...ああああああああ」

青年は叫び鳴咽した。
大空に響きわたる程...大地が揺れ動く程...。

赤い小さな袋の中のどんぐりは・・・
小さくこなごなに割れていた。
...青年は時も忘れ泣きじゃくった...・
こんなはずではなかったと....
皮肉なことに彼らは時代がつくり、決めた敵どうしだったのだ...。

青年は慣れていたはずの戦場を見渡した。
そこには闘い好きの自分がまいた残骸が残っていた。
死体の山は敵も味方もなかった。
胸に光る勲章は死体の山の高さだった。
青年はあまりのショックにもう国へは帰れなかった。

闇夜の中...老人の頬には涙が伝わった。
「私は自分の心を慰めるためにこの森に...」

そして老人は森の中を歩いた。
真っ暗な森はまるで老人の心だった。
明け方森から出るとそこからは二つの国が見下ろせた。
街はあの頃以上に貧しく...人々は傷ついているように見えた。
手にする武器は様々な改良を加えられ、威力を増しているようだった。

「このままでは互いに滅びあう...」
老人はつぶやいた。

老人は城へ向かって歩き出した。
城の回りにはたくさんの兵士が警備をしていたが老人にとっては
その目を忍びもぐり込むことは意とも簡単だった。
老人といえどもその身のこなしは軽やかで、
あっという間に壁を飛び越え木に登り枝から枝へとつたい
あっという間に王の部屋の窓辺に飛び降りた。

部屋では何やら会議をしているようだった。
王と何人かの家臣達が集まっていた。
老人は窓を叩いた。

するとさっと家臣達はそれぞれの物の影に忍び寄り
一番若い男が窓を開け剣をふるった。
老人は枝を折りさっとその剣を交わすと部屋へ飛び込み、
隠れていたはずの王の腰の短剣を素早く抜き取り王ののどにあてた。

陰にひそんでいた家臣達はさっと出てきて剣を構えた。

王はその老人の顔を見るなり
「お前は...」
とつぶやいた。
そして家臣達に目くばせをすると皆は剣と短剣を抜き床へと転がした。

「二人で話したい。」
老人は小声で言うと王は早速皆を部屋から出した。
「もういいだろう...」

老人は短剣を王の腰にあるさやへ収めひざまずいた。
置き去りにされた剣は、まるで木の葉のように朝日をあびて光っていた。
王はゆっくりと話し出した。
「おたがい随分年をとった...。
あの頃王子だった私も後を継ぎ、今では王となった...
この闘いも随分長く続いたものだ・・・お前は何故姿を消した。
この国にはお前が必要だったのに...。
父も悲しんでいたぞ。」

老人は言った。
「闘いに怯え、逃げておりました。」
王は笑った。

「相変わらずだな...」
老人は言った。

「王様、双方このままでは滅びます。いやもう死んでいる。
あの青々としていた大地は見る影もない。」

王も困った顔をしていった。
「お前もそう想うか...実は...それで皆を呼び話し合っていたのだ。
もう終えねばならぬ。この国の者はほとんどいなくなってしまった。
兵士は皆山を越えた国から雇っているだけだ。おそらく相手も同じであろう...。
しかし今さら止められぬのだ。この闘いで最後に何とか
勝利をおさめなければ...。」

「まだ...勝ちたいのですか・・・。動かされていることにお気づきなさいませ...。」
つぶやく老人に王は言葉を失った。
「いや...そうか...」

「どうか・・・森の木こりのたわごとと聞いてください。
取るに足りぬ名もなき小さな男です。王様...もう闘いを
おやめ下さい。剣をクワに変え、大地を耕しなされ。」

すると扉の外から家臣達の声が聞こえた。
「王様御無事ですか!そいつの正体がわかりました。」

「そのお方は、私たち戦士に永遠と伝説が残っている幻の英雄...」
「これを機会にこの闘いにお力を借りては...この国の
すべての勲章を胸に飾られたお方と聞いております。」

老人はすぐさま答えた。
「英雄?勲章?おれは単なる闘い好きの人殺しだ。」
と。家臣達は怒り出し今にも飛び込んできそうだった。

老人は王の顔を見ると丁寧に頭を下げ窓から飛び出した。
ちょうどその瞬間、待ちきれずに家臣達は部屋へ飛び込んできた。
もぬけの殻になった部屋には涼しげな風が吹き込み、
白いレースのカーテンが何事もなかったように揺れていた。

王は遠く空を見つめながらつぶやいた。
「闘うのは簡単だが・・・負けるのは勇気がいる...難しい。」

老人のポケットには二つのお守りが今も大切に入っていた。
老人は一人ゆっくりと森へ向かい歩いていった。
そしてちょうど森の入口にさしかかった頃、
「おーい」
と叫ぶ声がした。それは王だった。
冠を脱ぎ去り、マントを脱ぎ捨て農夫の服を着た王だった。

「私はあの国には必要ない。私は闘いのリーダーでしかなかったよ。
...私も森へ行こう。名もなき木こり...いや...落ち葉拾いでもいい...。
一緒に行ってはならぬか...。」

老人はやさしく笑うとかすかにうなずき...
それから二人の老人は森へと帰っていった。

振り返る大地には...雲の間から降り注ぐ日の光があの頃と変わりなく、
今日も城を、兵士を民を、すべての生きものを、大地を海を、
この星を照らし続けていた。

それから...もう二度と銃声が聞こえることはなかった。

人々は大地を耕しその至福を受け、細やかな豊かさの中で暮らし始めた。
しかし人の心の中に闘いは終わらず、今もなお、姿を変えて
絶えず大なり小なりの刺激欲しさに闘い始めようとするその姿は後を絶たない...。
それを仕掛けるものすらいる...

しかし、そんな傷ついた心もやがていずれ、
かならず訪れる死を目の前に儚い命を本当はどう生きたかったのか...

想い出す時が訪れるであろうと願い...
二人の老人は森の中でやがて土へと帰りゆくことを、
ささやかな安らぎと共に待ち望んでいたのだった。

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是非、戦いのない愛の世界にするための契機に
心の教育プログラムとして、
アニメ「君と逢える約束の場所」同様ご活用ください。


[遥かなるシリーズ] ご予約ページ
http://shop.healing-relax.com/products/detail.php?product_id=495





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