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ヤマトごころ再考...江戸再発見

【ヤマトごころ再考・その1...江戸再発見】

今では江戸時代の市民社会もかなり見直され、
自然と一体化した、士農工商の身分に関係ない共生の
「パラダイス社会」だったことも理解されてきました。

その象徴として、江戸市民が身につけていた
「江戸仕(思)草」も紹介されています。

傘かしげ、肩引き、お心肥やし、こぶし腰浮かせ、
などがその代表的なものです。

でもそれは、「形」としてかろうじて伝え残っているもので、
大切なことは、その根っこにある、
自然も含む一切のものとの共生の生き方、
つまり日本人本来の「こころ」「生き様」なのです。

これを今では「ヤマトごころ」と言っています。


◆日本人の教育の原点・江戸しぐさ

 つまり江戸時代は、社会を構成する「人づくり」が、
講や寺子屋あるいは寄り合い等でシステム的にも
キチンと行われていたということです。

江戸仕(思)草では、
「三つ心、六つ躾、九つ言葉、文十二、理(ことわり)十五で末決まる」
といわれていました。

つまり、「3歳までに心を、6歳までに躾を、9歳までに言葉を、
12歳までに書を、15歳までに物事の理を身に付ける、
それで人生が決まる」というものでした。

 このために幼少時から、意味はわからなくとも
古典を丸暗記させることを徹底したわけです。

この「日本語(やまとことば)の語彙力」が、その後の学問、
教養としてだけでなく、人間力養成の基盤となっていったわけです。

そして心豊かに何世代も積み重ねられて育まれた
50万の市民が暮らす江戸は、まさに人間性豊かで、
心温まるパラダイス社会だったに違いありません。

ちなみに江戸100万人の残り50万のほとんどは、
参勤交代でやってくるお登りの地方侍たちです。

歴史的に文書で残っているのは、この武士たちの、
いわゆる公的な書物であり、市民の文化は
文書として残されなかったのです。

それを唯一、絵で見せて残しているのが浮世絵と言えます。

ところが明治政府は、この江戸を否定して成り立っているのですから、
浮世絵ばかりか、なんと江戸仕草そのものさえも禁止してきたのです。

 
◆異人たちの見た江戸社会

ところで、江戸末期に日本を訪れた西欧人たちは、
江戸の市民生活を見て、「この世のパラダイス」と手記に書き残したり、
母国の家族等に手紙で送っています。

彼らが江戸社会をどう感じたのか、
訪れた順に追体験的に見ていきましょう。
 
もちろん、彼らは旅行の物見遊山で来たわけではありません。

欧州を起点とする白人による世界の植民地化前線の
東回りと西回りが巡り会う最終局面として、
黄金の国・ジパングの植民地化が究極の目的でした。

 彼らは航海上、日本に来る前に中国に立ち寄ります。

その中国を「ウジ虫を知らずに踏んでしまった気色の悪い気持ち」
であると書いています。

居住区は汚いし、子どもたちは「ギブ・ミー・マネー」であり、
「売られている製品は全てコピー製品であり、吐き気をもよおし、
二度と来たくない」、とまで母国の母親に書いた随行員もいます。

そこからさらに極東の地である日本に行くわけですから、
あまり期待はしなかったと思われます。

 ところが日本に一歩踏み込んだ途端に大讃辞に変わります。

まず、船からみる国土が美しい。
緑豊かな野山に、綺麗に整備された段々畑や棚田がとけこんでいます。

これまでの世界のどこでも見たこともない自然と
人工物がシンクロした絵画そのものの立体風景です。

 下田あるいは横浜の寒村に着くと、
浮世絵で見た色鮮やかな着物を着た健康そうな子どもたちが、
「うちにおいでよ~」と手を引きます。

その農家に行ってみると、士農工商で一番貧しいはずの農家は、
四辺が綺麗に生け垣で仕切られ、その中に小さないながらも
見事な日本庭園と色鮮やかな鯉が泳ぐ池があります。

家に入れば、土間があり、床の間には
綺麗な掛け軸がかけられています。

 当時の欧州では、彼らの階級は「農奴」であり、
文字も書けず、何世代も藁葺きの中で雑魚寝生活でした。

つまり、世界でもっとも裕福な農民が暮らす国、
それが日本だったのです。
 
個人宅にもお風呂があり、さらに出される食事にビックリです。
なんと陶磁器が使われています。

他の国では、このような食器は貴族以上でないと使っていません。
しかも海の幸、山の幸に溢れ、自然の風味を最高に活かした
世界最高の美味しい健康食です。

特に、欧米人さえ見たこともない醤油や味噌など
健康に素晴らしい発酵食品を使っています。

 帰り際には、農民であるはずの彼らが書いた
掛け軸までプレゼントされます。

最下級の農民が芸術的な書道ができることに
最後までビックリ仰天です。

せめてお礼にペンでもと渡そうとすると、
頑なに受け取りません。

 そうなのです。

これが日本の「おもてなし」であり、
日本各地のどこでも日常から旅人たちに振る舞われていた
日本人の慣習そのものだったのです。

ちなみに私が小さい頃の四国伊予の実家では、
このおもてなしをお遍路さんたちに行っていました。


◆世界の雛型・江戸

 彼らは、その後陸路で江戸に向かうのですが、
街道が綺麗に整備されていることにも驚きます。

キチンと歩ける道路が整備されているだけでも、
世界広しといえども当時は日本しかありません。

しかも街道沿いに旅人のための日陰を提供する
松などの樹木が植えられています。

さらに一定間隔で宿場町が整備され、飛脚や駕籠(かご)、
さらに宿や飲食店なども利用できます

 さらに江戸に着くと、まさに人類史上初の大公園都市です。

 中央に江戸城を中心とした大公園があります。
それを核心に300の武家屋敷の大公園があり、
さらにそのまわりには1500もの寺院等の中公園が配置されています。

市民の小さな家にも庭があります。
鳥瞰図的に見れば、まさに地球唯一の地上の楽園自然都市です。

町造りも合理的にしっかりしていて、大通りの門戸を閉めると
外部からの侵入は困難で、治安上も安心できます。

 行き交う人々は、江戸仕草の体現者であり、
挨拶や話している様子も明るく、そこにいるだけで心温まります。

一番気性の荒々しいと思われる船乗りが集まる船着き場に行ってみると、
聞こえてくる言葉は、「ありがとう」「ありがとう」「ありがとう」ばかり。

 彼らは、日本人が自分たちのことを南「蛮」人という
意味がよくわかったと手記にも書いています。

 実は、現在のUCLAでは、国際関係論で、
「19世紀のパリは、江戸を見習って造った」と教えているのです。

 まさに、ゴッホが日本の浮世絵から江戸を学び、
そこからヤパン・インプレッションが生まれ、
世界の市民が解放されて行ったのです。

そういう意味でも、日本は世界の「雛形」だったのです。


 ◆世界初の完全リサイクル有機農法

江戸の市民生活のエピソードとして
完全リサイクル有機農法を紹介します。

江戸では庶民は「長屋」住まいでした。
大家が50両払って代官から営業権を購入します。

家賃はいりません。
さらに「老人」や「病人」が入居人として歓迎されたと言います。

住人の仕事は「用をたす」ことだったからです。

ちなみに、当時、上下水道が完備していたのも、
世界で江戸だけです。

その下水道に、「トイレ」の排泄物を流すことは厳禁です。
それだけ、衛生管理観念も進んでいました。

下水道にトイレの排泄物を流すようになったのは、
「文明開化」した明治維新以降なのです。

欧米化が日本文明を劣化させた一つの例証です。
 
長屋で溜められた「うんち」は、郊外の農家が買い取りに来ます。
その売り上げが、現代価格で年1000万円ほどになったようです。

つまり、それだけ現金を出せた農民も豊かだったのです。

 農家では、それを肥だめで微生物利用による
完全有機肥料として活用しました。

世界で初の完全有機リサイクル農法だったわけです。

老人や病人は、消化力が落ちているので、
排泄物の中に「有効成分」が多く、
貴重な存在として大事にされたわけです。


◆江戸社会の守護神・サムライ

このような市民のパラダイス国家を運営していたのが、
侍たちです。

彼らは、生まれたときから15歳で元服するまで、
「武士としてのこころ、躾、言葉、文、理」を、
市民以上に藩校などで、専門の講師たちに徹底して訓育されました。

優秀なものは、身分にかかわらず、他の藩校や幕府の昌平校などに
藩費で留学もできました。

この中には、商人や農民の優秀な子どもも選抜されていました。
武士になれたのです。

このように生まれたときから高度の人間教育を受け、
いざというときは命さえ惜しまない世界最高の利他を体現する為政者、
それが江戸時代の侍=武士だったのです。
 
彼らが存在する限り、これまで植民地化した国々のように、
武力で制圧することもできません。

軍艦10隻持ってきても、上陸できるのはせいぜい数百人です。
万単位の武士の誠の中では身動きもできません。

 この日本をいかに植民地化、つまり金融支配するか。(つづく)


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