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強い組織をつくる言葉(その3)...真冬の麦踏み

【強い組織をつくる言葉(その三)
...真冬の麦踏み】

 ≪幼き頃のふるさとの麦踏み≫

皆さんは、麦踏みをしたことがありますか?
 
私は、幼い頃、愛媛の最南端の人口4千人の
寒村である一本松町(現愛南町)で、
一面真っ白に霜の降りた麦畑で父
母とともにおこなった麦踏みを、
今でも懐かしく思い出します。

白い息を吐きながら、
霜柱で上がった麦の若芽の列を足の裏で
ローラーのように踏み固めて行くのです。

麦は新芽の時に、特に霜の降りるような寒い朝に
何度も何度も踏まれることにより、
丈夫な茎となりやがて美味しい麦の実ができると、
父母から繰り返し聞かされたものです。

実際にやがて畑一面に黄金色の麦の穂が
初夏の風に波打つ姿を学校帰りに見ながら、
子どもながら自然の不思議な力に感動したものです。

それが、今でも私のふるさとの
心の原型であるとともに、
人生で様々な試練を迎えた時の、
挫けない心のバネとなっています。
 
生物学的に見ると、これは「エチレン」という
植物ホルモンの働きなのです。

エチレンは、植物が生長する時に、
伸びて行く先に邪魔なモノがあったときに
面白い作用をします。

例えば、芽を出そうとしたときに、
石がありぶつかって傷ついたとします。

すると、傷口からエチレンが放出され、
植物がこれを感知、
栄養分を増産して集めて茎が太くなり、
石を押しのけようと働くのです。

つまり、エチレンは茎を太くする作用があるのです。

麦を踏むことにより、傷がつく→エチレン発生
→茎が太くなる。

太くなった茎は、風に倒れにくく、
さらに分枝も多く出て、
強く豊かな麦になるのです。

昔の日本人は、エチレンなど知らなくても
生活体験の叡智で、麦踏みの大切さ、引いては
成長期に鍛えることの大切さがわかっていたのです。

だから幼い私を麦踏みや山や田圃の仕事に
一緒に連れて行ったのだと思います。


 ≪自衛隊、その逆境の生い立ち≫

 麦が、植物の中で唯一人為的に成長期に
鍛えられているものだとすれば、
現代の日本の組織の中で、
その成長期に否応なく
徹底して鍛えられたのが自衛隊と言えます。

 そもそも国を守る組織として発足すべきなのに、
名称からして「警察予備隊」でした。

自衛隊となっても、沖縄では、駐留当初、
自衛官とその家族が市役所で
住民票の受付を拒否さえる
ということもありました。

完全な「存在否定」です。

考えても見て下さい。
万が一の時に、命をかけて国を守る軍人を敬うどころか
否定する国民など、果たして世界中で何カ国あるでしょうか。

そのような国情の国は、国としての誇りも、
国民意識もないのではないでしょうか。

私の知る限り、日本だけです。

そもそも国家存立の基本である憲法に、
国家唯一の国防組織である自衛隊が記述されてない
摩訶不思議な状態です。
 
実は、これには深い「カラクリ」があります。

世界を支配する「彼ら」が、
二度と日本が立ち上がって
彼らに刃向かわないようにした
「分断支配」の一環なのです。

それは、先の大戦で、400年続いた
白人による有色人種の資源等収奪の植民地支配に
終焉をもたらせた日本を、
絶対的に封じ込めるための策略でした。 

つまり、その具体策である「憲法の押しつけ」や
「再軍備禁止」、「永久の占領米軍による防衛肩代わり」等
によって歪められた戦後社会の象徴とも言えます。

そして今現在も日本人自身で未解決なのです。
詳しくは、拙著「離間工作の罠」(ビジネス社)
をお読み下さい。

その国を弱体化するポイントは、
国軍と国民を離間させておくことなのです。


 ≪逆境の中にこそ強くて綺麗な花が咲く≫

 自衛隊発足当時からつい最近までの、いわゆる
「左翼」の方々による反自衛隊活動の凄まじかったこと。

赤旗で駐屯地が取り囲まれたこともありました。

町中の道路上を歩くだけの訓練で、
「町を軍靴で汚すな!!」
と抗議を受ける有様でした。

私も15歳で少年自衛官になりましたが、
横須賀の街に外出していて、「税金泥棒!」と罵声を浴び、
その夜消灯後のベットの中で涙を流した体験もあります。

人間、自己の存在を否定されるほど
ショックなことはありません。

でも、それ故にバネとなって成長します。

麦踏みと同じで、踏まれ傷つきながら、
それを客観的に見つめ勉強するうちに、
心の中から成長ホルモンが出てきます。
 
もちろん、存在否定という究極の試練に耐えきれず
修養の途中で他の道に進む同期もいました。

私たちの場合は、530人入校し、
4年後に卒業したのは約300人でした。
230名もの同期が道半ばで去って行きました。

でも残ったものは、間違いなく心の中に
「真冬の麦踏み現象」が知らず知らず起こってきました。

それは、つまり自衛隊の「使命」から
否応なく心の成長が促されるのです。

自衛官は、任官時に宣誓します。

そこには、
「事に臨んでは『危険を顧みず』、
身をもって責務の完遂に努め、
もって国民の負託に応える」
とあります。

つまり、万一の時は、
赤旗を振って自衛隊反対を主張する人と
その家族をも命をかけて守ることを
使命としています。

また、自衛官は、
「常に徳操を養い、人格を尊重し、心身をきたえ、
技能をみがき、政治的活動に関与せず」
とも宣誓しております。
 
要するに、反戦・反自衛隊の嵐の中でも、
そのような政治的な思惑など一切気に止めず、
ただ一途に全ての国民の命を
自己の生命を賭して守ることだけに、
営々と精進して来たのです。

阪神淡路大震災や東日本大震災等は、
その成果の一部を応用したに過ぎません。

万一の時は、
文字通り命をかけてこの国を守ります。

このような自衛隊が存在する限り、
この国を侵略できる国はありません。

 戦後統治した「彼ら」によって、
逆境の中で産声をあげて成長してきた自衛隊ですが、
彼らの思惑に反して、
魂レベルで成長したのが自衛隊ではないでしょうか。

もし順境でちやほやされていたら
組織的な成長は少なかったかも知れません。

「解放軍」としての米軍が、
占領軍意識で繰り返し性犯罪等を起こす輩がでたのと
まさに真逆です。


 ≪真冬の麦踏がヤマトごころと武士道を吹き込む≫

要するに自衛隊にとって、
草創期の「真冬の麦踏み」が、
組織に「ヤマトのこころ」と
「武士道」を吹き込んだと思います。
 
「ヤマトこころ」とは、
微生物から宇宙までの、
目に見えるものも見えないものも、
全ての生きとし生きるものと、
「一体感」を感じて、
「ともにいきる」心の在り様です。

そこには自他をわける心の壁はなく、
安らかなおもてなしの、
争いのない永久に続く社会となります。

その真逆が、「今だけ・自分だけ・お金だけ」の
西欧的金融エゴ社会なのです。

 「武士道」とは、
「戈(たたか)いを止める道」であり、
「究極の利他愛の世界」です。

自分が濡れ衣を被せられても
自分さえ我慢すれば、
まわりがうまくのならば
黙って死んで墓場にもっていく。

例えば、極東軍事裁判の東条英機元首相以下7人の
絞首刑者がこれに当たります。

ただし、まわりに濡れ衣を被せられた人を知れば、
命を賭して全力でその濡れ衣を晴らす。

黒澤明監督の農民のために戦う7人の野武士です。

西欧の騎士道は、
自己の名誉と報奨の自己愛の世界。

農奴のために命を賭けた騎士などいません。
 
要するに、自衛隊の場合、
災害派遣でも目線が上からでなく、
救助を待つ人とまったく同じなのです。

ヤマトのこころですから、
全てのひととひとつです。 

それ故、PKO等でも、自衛隊だけは
現地住民から慕われ続けてきたのです。

イラクでは、自衛隊を守ろうという
現地住民の「デモ」まで起こりました。

 自衛隊に限らず、
あらゆる組織も関わる地域や住民の目線で、
その人々の幸せを第一義とする活動をすれば、
地域に根ざす永久の組織になります。

それがヤマトのこころです。

 その際、様々なマイナス現象や試練を
「真冬の麦踏み」としてとらえて、
個人のそして組織の波動、
「魂」を高めることだと思います。

 冬季オリンピックでも、
過去に挫折を味わった選手が、
それを乗り越えて栄冠をつかみ、
感動を与えています。

まさに、逆境を
「真冬の麦踏み」
にしたのです。

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